こんにちは、仁蓉まよです。助産師として、また福祉事業経営やキャリア支援に携わる中で、女性たちが直面する大きな課題のひとつに「介護とキャリアの両立」があります。子育てと同様に、介護もまた突然始まり、長期化する可能性が高いライフイベントです。しかも女性はその負担を背負いやすい現状があります。本稿では、介護とキャリアの両立をどのように戦略的に考え、社会全体としてどう支援すべきかについて具体的に整理してお伝えします。
介護は“突発的”かつ“長期的”に訪れる
介護は計画的に始まることは少なく、突然の病気や入院から始まることが多いのです。平均して5年以上に及ぶケースも珍しくなく、キャリア形成期の女性にとって大きな負担となります。子育てと異なり「いつ終わるか」が見えにくいため、先が読めない不安がキャリア設計を揺るがします。この現実を理解し、ライフプランの中に「介護リスク」を織り込むことが重要なのです。
女性が介護を担いやすい社会構造
日本では、同居率や文化的背景、さらには男女間の賃金格差から「女性が介護を担うべき」という暗黙の前提が根強く残っています。結果として、女性が離職やキャリアの停滞を余儀なくされる例が多いのです。例えば、介護を理由に休職、離職する会社員の約7割が女性というデータもあります。これは個人の経済的損失にとどまらず、社会全体の労働力喪失にもつながっています。構造的に「女性に偏る介護負担」を是正する仕組みが必要です。
両立のカギは「分担」と「仕組み化」
介護とキャリアを両立させるためには、家庭内だけでなく社会全体での分担が不可欠です。具体的には、①家族間での役割分担を明確化する、②地域の介護サービスを早めにリサーチ・活用する、③職場の介護休暇や時短勤務制度を積極的に使う、といった戦略が有効です。また、在宅介護テクノロジーやオンライン相談などの活用も、日常生活と仕事を両立する大きな助けとなります。仕組み化された支援があることで、女性は「自分一人で背負う」状況から解放されるのです。
キャリアを諦めないための戦略
介護の可能性を前提にキャリアを設計することで、人生の選択肢を狭めずにすみます。具体的には、以下のような準備が有効です。
1.働き方の柔軟性を持つ:リモートワークやフレックス勤務が可能な職場を選ぶ、もしくは副業で収入源を多様化しておく。
2.スキルアップを継続する:オンライン講座や資格取得を通じて、市場価値を高め、介護の合間でも働ける環境を整える。
3.資産形成を進める:介護費用や将来の収入減に備えて、投資・貯蓄・保険を活用し、経済的リスクを下げておく。
4.周囲に相談できる体制を築く:職場の上司や同僚、地域の相談窓口に早めに共有することで、孤立せずサポートを受けやすくする。
こうした準備を積み重ねておくことで、介護が始まってもキャリアを途切れさせずに継続できるのです。介護とキャリアは「二者択一」ではなく、戦略的に設計すれば共存可能な未来を描けます。
