こんにちは、仁蓉まよです。助産師として女性の心身を支え、福祉やファッションの現場に関わってきた中で強く感じるのは、「着るもの」が心の状態を大きく左右するということです。ファッションは単なるおしゃれや流行ではなく、自己表現であり、自分を大切に扱うためのセラピーでもあるのです。本稿では、ファッションが持つ“自己肯定感を回復する力”についてお伝えします。
ファッションは「自分を選び直す行為」
ファッションを考えるとき、多くの方は「人からどう見られるか」を気にします。しかし本質はそこではなく、「自分がどんな自分でありたいか」を選ぶ行為なのです。落ち込んでいるときに明るい色を身につけることで気持ちが前向きになるように、服装は私たちの心に直接働きかけます。つまりファッションは、自己を肯定するための“再選択”の道具なのです。
見た目を整えることは「人生を取り戻す」こと
私が福祉の現場で関わる女性たちの中には、長らく外見を気にかける余裕がなかった方も少なくありません。けれど、髪を整え、好きな服を身につけた瞬間に表情が一気に明るくなる。その変化を幾度となく目にしてきました。見た目を整えることは単なる装飾ではなく、「私はここに存在している」という感覚を取り戻す大切なステップなのです。
社会的役割から解放される時間をつくる
子育てや介護、仕事などに追われる女性は、しばしば「役割の服」を着続けています。職場の制服、家庭でのエプロン…。それらを脱ぎ捨てて、自分が本当に好きな服を選ぶことは、社会的役割から一時的に解放される貴重な時間になります。ファッションは「誰かのための私」ではなく、「自分のための私」を再確認させてくれるツールなのです。
ファッションは“自己肯定感のインフラ”になる
ファッションを「流行の消費」ではなく、「自己肯定感を支えるインフラ」と捉える視点が、これからは必要です。企業も自治体も、ファッションを通じて女性たちの心を支える取り組みを広げることができる。外見を整えることが心の健康に直結することを理解すれば、福祉や医療の領域とも自然に結びついていくでしょう。ファッションは、社会全体で支えるべき“セラピー”なのです。
