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女性とセルフデータは“未来の意思決定”を変える

女性とセルフデータは“未来の意思決定”を変える
大阪府 仁蓉まよ 女性とセルフデータは“未来の意思決定”を変える

私は助産師として身体の変化を見つめ、社会起業家として女性の意思決定を支える活動を続けてきました。その中で強く感じるのは、女性が日々の体調・感情・生活リズムを「データ」として捉えられるようになったことで、人生選択の質が大きく変わりつつあるということです。
月経周期、睡眠、ストレス、栄養状態、キャリアの負荷——。これらを感覚ではなく“可視化された情報”として理解することは、女性の人生をより自由で戦略的なものへと導きます。本稿では、セルフデータ(自己計測データ)が女性の未来設計にどのような価値をもたらすのかをお伝えします。

セルフデータは「自分を理解する基盤」になる

仁蓉まよ

女性の身体は、ライフステージによって大きく変化します。思春期、妊孕性が高い時期、妊娠・出産、更年期——。これらの変化を“なんとなく”で捉える時代は終わりつつあります。データ化された自分の記録は、体調の波を客観視する手がかりとなり、自己理解が深まるほど、無理を手放しやすくなるのです。

「感情のデータ化」がキャリアの意思決定を助ける

仁蓉まよ

感情は曖昧なものと思われがちですが、実はパターンがあります。「月経前に意思決定が重くなる」「睡眠不足で集中力が落ちる」など、感情の揺れを蓄積すると“自分の傾向”が見えてきます。これにより、プレゼンや大きな判断をするタイミングを調整したり、適切な休息を入れるなど、キャリア行動全体の質が向上します。

健康データは“未来の妊娠可能性”のヒントになる

仁蓉まよ

プレコンセプションケアの現場では、基礎体温、排卵周期、貧血、栄養状態などを読み解くことが非常に重要です。セルフデータが増えれば増えるほど、妊孕性(にんようせい:妊娠しやすさ)の早期理解につながり、「いつ産みたいか」「どうキャリアと両立するか」という人生設計の精度が高まります。

データは“メンタルの変化”にも寄り添う

仁蓉まよ

女性は社会的役割の変化に伴って、ストレスの種類も増えがちです。睡眠の質・SNS接触時間・歩数・カフェイン摂取量など、小さなデータはメンタルの変化を予測するヒントになります。「疲れの前兆」をつかめれば、早めに休む、環境を整える、頼る——という行動がしやすくなり、結果的にキャリアの持続力を高めるのです。

“可視化”は自信を取り戻すきっかけになる

仁蓉まよ

数字で自分を見ることは、自己肯定感の回復にもつながります。「昨日より睡眠が1時間長かった」「1週間前よりPMSが軽かった」など、小さな変化が積み重なり、自己管理への自信が育つのです。これは、女性が「主体的に生きる感覚」を取り戻す大きな力になります。

セルフデータは“選べる働き方”につながる

仁蓉まよ

体調の波を把握できる女性ほど、働き方の調整が上手になります。リモートワークの日を選ぶ、業務の優先度を変える、スケジュールに余白を設ける——。データを起点に働き方をデザインできる女性は、長期的にキャリアを継続しやすく、結果として経済自立の基盤が強化されます。

データと向き合うためには“余白”が必要

仁蓉まよ

データ収集は目的ではありません。数字をどう解釈し、どのように生活に反映するかが本質です。そのためには、日々の生活に小さな余白を作ることが欠かせません。余白がある人ほど、自分の体や心の変化を丁寧に受け止められ、意思決定の質が高まります。

セルフデータは女性の“未来戦略のインフラ”になる

仁蓉まよ

データを持つということは、自分の人生の地図を持つことに近い感覚です。身体・感情・思考のパターンがわかれば、私たちはもっと賢く、しなやかに未来を選べるようになります。セルフデータは、女性の人生を「なんとなく」から「戦略的」に変えるインフラ。その力を、これからの女性たちが存分に活かせる社会を創りたいと私は考えています。

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