目次
私はこれまで、女性の経済自立やキャリア戦略を数多く取り上げてきました。しかし忘れてはいけないのは、「女性の意思決定」を支える環境には、男性の姿勢や関わり方が大きな影響を与えているということです。本稿では、パートナーシップにおける男性の関わり方が、女性のキャリアや人生設計をどう変えていくのかを考えていきます。
家庭内の「役割分担」は時代遅れ
かつて家庭内の役割は「男性は仕事、女性は家事育児」と固定されていました。しかし現代では、女性も経済的に自立しキャリアを築いていくのが当たり前の時代です。その一方で家庭内の役割が従来のままでは、女性だけが二重負担を強いられる構造が続いてしまいます。男性が家庭内のパートナーとして積極的に関与することは、女性のキャリアを支える基盤になるのです。
「サポート」ではなく「共創」の視点へ
よく耳にする「夫がサポートしてくれる」という言葉。しかし本質的には“助ける・手伝う”という位置づけではなく、共に未来をつくる“共創”の視点が必要です。女性がキャリアの選択をする時、男性もまた「自分の人生をどう描くか」という意思決定を並行して行う。この共鳴が、両者の成長を加速させます。
男性の意識改革が社会を変える
日本のジェンダーギャップ指数が低い要因のひとつに、男性の家庭進出の遅れがあります。男性の働き方や意識が変わらなければ、女性だけの努力では限界があるのです。例えば育休取得や柔軟な働き方の選択を男性自身が進めることで、組織全体が多様性を受け入れる土壌が広がります。
「男性が変わると経済が変わる」
男性が家庭やパートナーシップにおける役割を見直すことで、女性の労働参加やキャリア継続率が高まります。これは単なる家庭内の問題にとどまらず、企業の生産性や社会全体の経済循環にも直結するテーマです。女性支援は“女性だけの課題”ではなく、男性の関わり方を含めた“社会戦略”として考えるべきなのです。
パートナーシップを「投資」と捉える
結婚や同居は“生活の共有”であるだけでなく、“未来への投資”です。お互いのキャリアや夢を尊重し合える関係性は、長期的に見て双方の経済的・精神的な安定をもたらします。男性が「妻のキャリアを応援する」という姿勢を持つことは、自身の人生の選択肢を広げることにもつながるのです。
次世代に伝える「新しいモデル」
子どもたちは親の姿を通して「働き方」「生き方」を学びます。男女が協力し合い、対等に意思決定している家庭の姿は、次世代にとって新しいロールモデルになります。男性が関わり方を変えることは、単なる個人の選択ではなく、未来の社会文化を形づくる行為なのです。
企業・行政ができること
企業や行政も、男性の家庭参画を後押しする政策や制度設計を進める必要があります。たとえば男性育休を取りやすい文化の醸成や、柔軟な働き方の制度化。こうした仕組みが広がることで、女性も男性も「キャリアと家庭の両立」を現実的に選べる社会が実現していきます。
パートナーシップは「社会資産」である
最終的に言えるのは、男女がどう関わり合うかは、個人の家庭内にとどまらず社会全体の“資産”であるということです。女性のキャリアを支える男性の姿勢は、ひとつの家庭を超えて、地域や社会の未来を形づくる大きな戦略資産なのです。
