地域の魅力を世界に発信していきたい|石山すみえ -目次-
土岐
本日はよろしくお願いします。
まずは、すみえさんの起業のきっかけを教えてください。
石山
私の実家が自営業をやっていた関係で、「いつかは私も何か事業を自分でやるのかな」と思っていました。サラリーマンの自分が想像できなかったんです。ですが、まずは就職という形で、海外のツアーコンダクターをしていました。
そのあとも、起業したい気持ちはずっとあったので、行政書士の資格を取ったりしていましたが、娘が3歳の時にシングルマザーになってしまったので、やはりシングルマザーではリスクが高いかなと思い、そこから17年間会社員をやっていました。
ただ、50歳を目の前にした時に、「このままの働き方と生活でいいのかな」と思ったんです。そこで自問自答をした結果、「このままずっと会社員生活は嫌だ」と思いまして、48歳の時に地元の起業塾に行って、副業で結婚相談所を始めました。
その起業塾で、「自分の強みを見つけましょう」というワークがあったのですが、そこで自分が行政書士の資格を持っていることを思い出したんです。ずっと前に取った資格だったので忘れていたんですね。
そして、2020年がちょうど50歳の境だったのですが、起業しようと思った矢先にコロナが流行り始めて、給付金や補助金のニーズが高まって「これはみなさんのお力になったほうが良いな」と感じました。ですが、副業として片手間でやるには大変申し訳ないので、会社員を辞めて本腰を入れてやろうと思い、2年間の副業を経て、2020年の50歳の時に独立開業をしました。これが起業のきっかけです。
土岐
会社員の時はツアーコンダクターだったのですか?
石山
ツアーコンダクターは、1度目の結婚をする前にやっていました。結婚をして、そろそろ子どもが欲しいなと思ったときに、海外を行ったり来たりはできないですし、不妊治療もしていたので、ツアーコンダクターは辞めました。
そのあとは、製薬系の臨床試験のデータを扱う会社にパートで行っていたんです。そこで、「社員にならないか」とお声がけいただいて働いていたのですが、私の不妊治療が成功して妊娠したのと同時に会社が潰れてしまい、失業保険をいただきながら優雅な妊婦生活を送っていました。
その後、娘が3歳の時にシングルマザーになってからは、別の会社で以前と同じように製薬系の臨床試験のデータマネジメントという仕事に就いていました。
土岐
そうだったのですね。それを17年も!長いですね。
ちなみに、強みを分析された時に、すみえさん自身の強みは何だったのですか?
石山
資格という意味では、行政書士の資格を持っていること。
他には、ツアーコンダクターをしていたこともあって、人とのコミュニケーションやリーダーシップがあることですね。ただ、性格的にグイグイ前に出ていくタイプでもないので、必要な場面では前に出て、そうではない時は引いて、という感じかなと思います。
あとは、現在にも繋がるのですが、子供の頃から外国人が家の自営業に手伝いに来ていたこともあって、海外や外国人に躊躇がないことですね。なので、最近、インバウンド向け富裕層の旅行会社も設立し、事業を拡大していこうと思っています。
土岐
では、事業内容のご紹介をお願いします。
石山
今は行政書士として、補助金コンサルタントをメインにさせていただいています。また、その裏で、法人設立の支援や外国人のビザの手続き支援をしています。
最近始めようとしていることとしては、これまでの経験を生かした、女性起業家を女性社長にするプロデュースと、旅行業・民泊業ですね。特に女性起業家やインバウンドの外国人をターゲットに事業を拡大していきたいと思っているところです。
なので、これからはオンラインでの補助金申請支援や女性社長育成、リアルでの旅行業の二刀流でいこうと思っています。
旅行業に付随してもう一つあるのですが、お話ししていいですか?
土岐
もちろんです。お願いします。
石山
私の夫が福島に単身赴任しているのでよく福島に行くのですが、何回も福島に行く中で、すごくたくさんの魅力を感じているんですね。観光資源が豊かですし、お水も美味しいのでお酒も美味しいですし、果物も美味しい。そういったことから、福島で何かできたらなと思っていました。そんなときに、福島で震災の影響があった地域を盛り上げたいというメンバーに出会いまして、実は今、福島に宇宙港を作ろうというプロジェクトに参画しています。これからは、宇宙を視野に入れていかないと乗り遅れる時代だと痛感しているので、宇宙産業もやっていこうと思っています。
ですが、この根本にあるのは、地域の魅力的なところを日本人はもちろん、インバウンドの外国人にも知っていただいて、地域を元気に、そして日本を元気にしていきたいという思いです。なので、この地域の活性化をこれからプラスしてやっていこうと思っています。
土岐
旅行業・民泊業のところでもう少し伺いたいのですが、具体的にどんなことをお仕事としてされるのですか?
石山
補助金申請支援をさせていただいて、全国の事業者さんと繋がったときに、まだまだ日本の地域には、知られていない素晴らしいビジネスや観光資源があると気がつきました。
地域で一生懸命頑張って、自分の商品・サービスを提供しよう思っている方が多くいらっしゃる反面、まだまだ首都圏ほど人に来ていただけない状況があるので、そのような魅力を私が紹介することによって、皆さんのビジネスを活性化させ、尚且つ地域も活性化する、というきっかけを作っていきたいなと思っています。
ただ、それだけではなかなか難しいので、旅行を通して「この地域ではこんなことをやっている人がいるよ」と紹介して、現地に足を運んでいただくきっかけを作っていきたいと思っています。
岩手県に八幡平という地域があるのですが、「これから盛り上がってくる都市トップ10」に入っているにも関わらず、まだまだ知らない人がたくさんいるんですね。
補助金申請の事業者さんからのご縁で、八幡平市役所の方と知り合いになったのですが、そこで「八幡平を盛り上げてほしい」「八幡平で女性起業家を増やしてほしい」というお話もいただいたので、現地の良さを知っていただくために、9月に八幡平市とのコラボ企画で、<女性起業家交流会>を開催する予定ですし、観光という形で現地の見どころを知っていただけるようなお手伝いができればと思っています。
土岐
すごく良いですね。インバウンドの方はどんな感じですか?
石山
富士山や京都など、ゴールデンルートと呼ばれる場所に飽きてしまった外国人も結構いるみたいなんですね。あとは、オーバーツーリズム。京都や東京はすごく混んでいて、日本の私たちがホテルに泊まるにも、予約が取りづらいことがあったりしますよね。そういったことも鑑みて、地域の魅力を知っていただき、現地に行っていただく。それによって、混雑している地域の分散化も図れたらと思っています。
ただ、はじめから広めにやってしまうと難しいので、まずはご縁のある福島から始めていこうと思っています。私も行ってきたのですが、福島の原発視察の特別枠というのをいただいたんですね。来年度から40名、外国人枠をいただきました。外国人は半年〜1年ぐらい前から予約をするらしいので、そろそろ募集サイトを立ち上げて、インバウンドの方40名を福島に送り出す準備をしていくところです。
あとは、最近オフィスを構えた「築地」を中心としたイベントや、メイン観光地でないけれども行ってみたらすごく良かった、というニッチな場所を旅行のコンテンツとしてサイトに並べて、そこを手配することですね。どちらかというと、インバウンド富裕層の方に向けて旅行の手配をしていく方向です。
土岐
手広くされているのですね。素晴らしいです。
では、FEAについてもメッセージをいただきたいのですが、FEAの取り組みについてどのように感じていらっしゃいますか?
石山
皆さんが一緒になって、今後の女性起業家の活躍を支援したり、応援したり、仲間になっていったりというところで、すごく素敵な取り組みだと思っています。なので、私も陰ながら応援させていただいております。また、私にもできることがあれば、遠慮なくおっしゃっていただければと思っています。
土岐
FEAを見ていらっしゃる方、そして起業家さんへのメッセージをお願いします。
石山
私自身もまだ起業をして4年ぐらいですが、事業を続けていくのがなかなか大変だ、と感じることもあるのではないかと思います。ですが、やはり仲間を作ったり、心がワクワクするような取り組みをすることによって、自分の人生を彩り豊かに、そして仲間とのご縁をいただくことで、継続していくことができると思っています。
もちろん続けていくことは簡単ではありませんが、そういったことを一緒になって考えたり、協力したり、ご縁やコミュニティーを作っていけたらなと思っていますので、ぜひ一緒に頑張っていけたら嬉しいです。
土岐
ありがとうございます。