全てが個性の尊重に繋がっている|岩本まい -目次-
土岐
本日はよろしくお願いします。
さっそくですが、起業のきっかけを教えてください。
岩本
商売をすることが身近にある環境で育ったことが起業のきっかけです。私の祖父や曽祖父は自営業をしている人でした。また、母はシングルマザーだったので、働くことが当たり前という環境で育ったことも大きかったですね。なので、いつも「何で独立をしようかな?」と考えていました。
私は23歳の時にペットサロンで起業をしたのですが、私の中では当たり前のように、みんな独立することがゴールだと思っていたので、むしろみんなが独立しないことに驚いた感じです。
土岐
会社員という選択肢はそもそもなかったのですか?
岩本
なかったですね。起業をするための修行期間としてどこかで働く、みたいに思っていました。
土岐
では、「何で起業をするか?」となったときに、なぜペットサロンを選ばれたのですか?
岩本
勉強が好きではなかったので、技術を学べるようなものを目指したいと思っていたんですね。また、親戚に美容師さんでお店を経営している人がいたのもあって、はじめは美容師になりたいと考えていました。
でも、ある時に本屋さんでいろんなコーナーを見て回っていたら、トリマーという仕事が目に留まって、そこで初めてこんな仕事もあるのだと知りました。
私にとって動物は、いるのが当たり前というぐらい好きなもので、今までに色々な動物を飼ってきましたし、子供の頃は、犬や猫が捨てられている場面に遭遇したら絶対に拾って帰っていたほどでした。
なのでその当時は、美容師さんも良いけれど、人間より動物のカットをする方が魅力的に思えたんですよね。そこから、母にトリマーになりたいと話して専門学校に行きました。
土岐
なるほど。そこからトリマーになってペットサロンを始められたのですね。
では、その後の変遷を教えていただけますか?
岩本
サロンを一人で始めて、ある程度お客さんが付くようになってからは、スタッフさんも雇えるようになりました。となると、次は店舗を増やしたいという目標が出てきたので、それもやりました。
ただ、それをやっていた時は、子供が3人いてまだ小さかったんですよね。なので、すごく大変でした。
土岐
小さいお子さんを3人も子育てしながら、さらにペットサロンを何店舗もするとなると、それは大変ですね。
そこからどうなっていったのですか?
岩本
夫の仕事の関係から、放課後等デイサービスという児童福祉施設の事業もすることになったんですね。こちらは主に夫にやってもらっているのですが、ペットサロンとこの子どもの事業はどちらも店舗で経営をしているので、ここに自分が組み込まれてしまうと、忙しすぎてパンクしてしまうと思って、自分が組み込まれない形に仕組み化をしていきました。
23歳から独立をして、起業歴はもう19年ぐらいになるのですが、店舗を増やしたり、違う事業を作ってみたりと、ある程度自分のやりたいことはやってきました。じゃあここから、自分の起業人生の後半戦は何をやっていきたいのか?と1〜2年かけて向き合った時期があったのですが、そのときに気がついたのは、これまでにやってきたどの事業においても、全て”個性の尊重”に繋がっているということだったんですね。
基本的に私は個性が好きなんです。つい人に「ここがあなたの良いところですよね」と言いたくなってしまうし、店舗だったとしても「このサービス良いですよね」とかすごく言いたくなるんですよね。
私自身も、自分の可能性を広げるために起業をしてきましたし、事業の目的としても、起業で自分の可能性を広げたいと思っている人たちに、ビジネスのサポートをしていくことが私のやりたいことなんだろうなと、色々と向き合った結果、そこに辿り着きました。なので今は、起業家さんの個性を活かしたビジネスのプロデュースというのもやっています。
土岐
ビジネスのプロデュースというのは、どのようなことをされているのですか?
岩本
ママ起業家さんもたくさんいらっしゃると思うのですが、私も今は子供が4人いて、上の3人は中学生と小学生なのですが、一番下の子がまだ1歳なので、もう1回子育てを一からやっている感じなんですね。でも、すごく大変だった以前とは違って、今は余裕がある中で子育てをすることができているので、余裕があればこんなにも子供って可愛いと思えるし、起業も子育てもどちらも楽しむことができるんだな、ということを実感しています。もちろん今までの経験から、起業と子育ての両立に対する葛藤もわかるので、起業と子育てのどちらかだけではなく、いかにして自分のやりたいことも叶えて、子育ても楽しめるのか、というところで、起業家さんのサポートをしています。
起業家さんではない他のお母さんに対しては、「頑張らない育児で子どもの自信と才能をのばす」というママ向けの講座もやっています。
土岐
現在はペットサロンの経営と子育て系のお仕事、そして起業家さんのビジネスプロデュースをやっていらっしゃるわけですね。その中で、今一番力を入れているイチオシのサービスは何になりますか?
岩本
ママ起業家さんが、0→1を達成したあとの1→10のステージで、家庭も含めたビジネスの仕組み化が今のイチオシです。売れれば売れるほど自分が忙しくなってしまって、さらに子育てもあるとなるとしんどいですよね。なので仕組み化の構築をすると良いのではないかと思っています。ただ、この部分は重要なのですが、緊急ではないので、なかなかみなさん手を付けないところではあるなと感じています。
土岐
仕組み化に踏み切るか踏み切らないか、という葛藤がありますよね。
岩本
子供がいると、本当に毎日がいっぱいいっぱいになりますしね。でもそこで諦めてしまうのももったいないと思っています。仕組み化は、仕事も家庭も両方叶えられる方法はないのかと19年間もがき続けた私の集大成みたいなものです。
土岐
すごく大事ですね。
収入でいうと、1000万円いくかいかないかぐらいの方々のイメージですかね。
岩本
そうですね。
土岐
ありがとうございます。すごくわかりやすいです。
では次に、FEAの取り組みについて、まいさんがどのように感じているのかをお話ししていただけますか?
岩本
FEAに魅力を感じたのは、自分の可能性を広げられる場所だと感じたからです。特に私は、地方で山形県の田舎に住んでいますし、子育て真っ只中で、小さい子がいてワンオペでとなると、なかなか人脈を広げるような活動に時間を割けなかったりして、子育てもビジネスも孤独になりがちだなと思っています。
起業しているからこそ、どこでも仕事ができたり、一人でも仕事ができるメリットもありますが、会社に属していないと1日中一人で仕事を黙々として終わる、みたいなこともありますよね。孤独になると視野が狭くなってしまって、急に「自分よりもっとすごい人たちがいるよな」と自信がなくなったり、急に気分が落ち込んだりとかすることもあると思うんですよね。でもそれって、誰かに話すことで大したことではなかったなと思えたり、仲間がいることで前向きになれたり、新たな気づきを得られることもあるので、そういう孤独を感じているママ起業家が、パワーを貰える場所だなと思っています。
土岐
では、FEAを見てくださっている起業家さんや起業準備中の方に向けてメッセージをお願いします。
岩本
女性だからこそ、母であり妻であり自分自身でありと、色々な役割があると思うのですが、私はその中のどれかではなく、どれも取りたいと思っています。家庭の幸せもそうだし、起業して自分のやりたいこともやっていきたい。家庭も起業も両輪だと思うので、そのどちらかだけではうまくいかなくて、両方をうまく回していくことが大事だと思いますし、それが女性にとっての幸せだと思っています。
その、自分が叶えたい未来に進んでいくことを私も応援していきたいですし、みんなで応援し合えたら良いなとも思っています。一人ではなくみんなでやっていけば、自分の可能性もどんどん広げていくことができますし、みんなの喜びも自分の喜びにしていけるのではないかなと思います。
土岐
ありがとうございます。