目次
古森:
本日はよろしくお願いいたします。
まずはじめに、自己紹介をお願いいたします。
龍香:
心理カウンセラーとして、30年近く人の心に関わる仕事をしてきました。
現在は、カウンセリングに加えて、「自分とつながる学校」を主宰しています。
これまで、本当にたくさんの方のお話を伺ってきました。そこで感じているのは、悩みそのものよりも、その奥にある「本当はどう感じているのか」「本当はどうしたいのか」が、自分でも分からなくなっている方がとても多いということです。
周りの人を優先したり、期待に応えようとしたりしながら、長い間頑張ってきた人ほど、自分の気持ちが分からなくなってしまうことがあります。
だから私は、外から答えを与えるのではなく、その人自身が、自分の内側にある声や本来持っている力にもう一度気づいていけるよう、お手伝いをしています。
お子さんから80代の方まで幅広くご相談いただいていますが、特に40代以降の女性の方が多いですね。
現実を軽やかに楽しく生きるために。心と見えない世界の両面からアプローチ
龍香:
私の場合、心理カウンセラーとして人の心や意識を扱う一方で、もう一つ、ずっと身近に感じてきたものがあります。それが、目には見えない世界です。
母方の家系が、もともとそうした世界と縁の深い家系だったこともあり、私自身も子どもの頃から、人の言葉だけではないものや、その場の空気、目には見えないものを自然に感じ取っていました。
ただ、私が今とても大切にしているのは、スピリチュアルな世界だけに答えを求めないことです。
どれだけ素晴らしいことを学んでも、日常に戻ったときに、また同じことで悩み、同じ反応を繰り返してしまったら、人生そのものはなかなか変わっていきません。だからこそ、自分の心や思考、体の感覚、そして言葉では説明しきれない感覚も含めて、自分自身を知っていくことを大切にしています。
古森:
カウンセリングの中に、その感覚を取り入れられているのですね。
龍香:
そうですね。
ただ、「私には見えるから、私の言う通りにしてください」という関わり方はしていません。むしろ逆で、その方自身が自分の感覚を信じられるようになってほしいと思っています。
人は本来、自分の中に、感じる力も、選ぶ力も、人生をつくっていく力も持っています。でも、周りに合わせ続けたり、過去の経験から身についた思い込みや反応が積み重なったりすると、その力が見えなくなってしまうことがあります。
現在主宰している「自分とつながる学校」でも、一時的に気分を上げることではなく、「私は今どう感じているんだろう」「私は本当はどうしたいんだろう」と、自分自身に立ち戻れる力を育てることを大切にしています。
笑うことも、美しくなることも、豊かになることも、もちろん大事。でも、それを誰かの基準に合わせて追いかけるのではなく、自分にとっての幸せや豊かさを、自分で感じ、自分で選べるようになること。
そうやって自分自身の基準で選べるようになると、現実の見え方や、日々の行動も少しずつ変わり始めるんです。
私は、その変化こそが「本来の自分で生きる」ということなのだと思っています。
古森:
講座のほかに、神社参拝のリトリートも行っているとお聞きしました。
龍香:
はい。
もともとは、経営者の方などから個人的に「一緒に参拝してほしい」とご依頼いただいたことから始まりました。
ご一緒したあとに、「気持ちが整理された」「ずっと迷っていたことを決められた」「不思議と流れが変わったように感じる」とお話しくださる方が増えて、少しずつ団体での参拝も行うようになりました。
私の参拝は、神社の歴史や御利益を説明しながら回る一般的なツアーとは少し違います。もちろん神様にお願いをすることもありますが、それ以上に大切にしているのは、日常から少し離れて、自分自身に戻ることです。
神社という場所に立つと、日々の忙しさにかき消されていた自分の気持ちが、ふっと見えてくることがあります。
「本当は、もうこれを手放したかったんだ」
「私はこっちへ進みたかったんだ」
そんなことに気づく方もいます。
また、参拝後には、感謝のメッセージとともに、嬉しいご報告もたくさんいただいています。
見えない存在とのご縁も大切にしながら、最終的にはその方自身が、自分の人生へもう一度つながっていく。私は、そんな参拝をご一緒したいと思っています。
古森:
団体で参拝する場合は、どのように場所を選び、進めていくのでしょうか?
龍香:
開催する場所は、単純に有名な神社だからという理由だけでは決めていません。参加される方たちや、その時のテーマを感じながら、「今回はここだな」と思う場所を選んでいます。
私は年間を通してかなり多くの神社仏閣へ参拝していますが、同じ神社でも、訪れる時期や一緒に行く人によって、感じ方は全然違うんです。
その場所に立ったときに何を感じるのか。
どんな気持ちが出てくるのか。
それも、参拝の大切な時間だと思っています。
団体参拝だからといって、全員が同じ悩みや目的を持っている必要はありません。仕事のことを考えている方もいれば、家族のこと、これからの人生、自分自身のことを見つめたい方もいます。
同じ場所に一緒にいても、受け取るものは一人ひとり違います。
以前、熱田神宮に100人近い方と参拝したことがあります。その時も、その場で感じたことを必要な方にお伝えすると、突然涙を流される方もいらっしゃいました。
ただ、それは私が何かを与えているというより、その方の中にもともとあったものに気づくきっかけが生まれたのだと思っています。
だから私は、参拝のあとに何が起こるかだけではなく、「自分の中で何を感じたか」を大切にしてほしいと思っています。
古森:
なるほど。ただ神社にお連れするだけでなく、その方やそのグループに必要な場所を選び、必要なエネルギーとつなぐような感覚なのですね。
見えない世界との橋渡し。オープンに活動することを決めた理由
古森:
では、そうした見えない世界との関わりを、表に出していこうと思われたきっかけは何だったのでしょうか?
龍香:
そもそも私が人の心に興味を持った原点は、子どもの頃にあります。昔から、言葉と本当の気持ちが違うことを敏感に感じ取っていました。
笑っているけれど、本当は悲しい。
「大丈夫」と言っているけれど、本当は大丈夫じゃない。
怒っているように見えるけれど、その奥には寂しさがある。
そんな、言葉になっていない気持ちを自然と感じていたんです。
両親が共働きだったので、幼い頃は仏教系の保育園に通っていました。お地蔵さんや仏様が身近にいる環境の中で、子どもながらに、「人って幸せになるために生まれてきたんじゃないのかな。なのに、どうして大人はこんなに苦しそうなんだろう」と考えていました。
振り返ると、それが今の仕事につながる最初の問いだったのだと思います。
小学校、中学校、高校、そして大学でアメリカへ行ってからも、その感覚はずっとありました。ただ、見えない世界については長い間、あえて表には出していませんでした。
古森:
それがなぜ、オープンに活動されるようになったのですか?
龍香:
ある時期から、「もう隠していないで、表に出なさい」というメッセージを繰り返し感じるようになったんです。
「こんなものだから」「仕方ないから」と、心の重さを抱えたまま生きている人たちに、自分の本当の気持ちや力を思い出すきっかけを届けなさい、と。
ある時は数日間、夜になるとさまざまな存在を強く感じて、ほとんど眠れないこともありました。そして最後に龍神の存在を感じた時に、「機は熟した。担い手の一人として表に出なさい」というメッセージを受け取ったんです。
私は本当に寝るのが好きなので、最後は「分かりましたから、もう寝かせてください」と(笑)。
それで腹をくくりました。
もちろん、こうした話をどう受け取るかは人それぞれでいいと思っています。でも私自身にとっては、それが「自分の一部分を隠すのをやめよう」と決めた、大きなきっかけでした。
古森:
壮大なきっかけですね!
実際に表に出て活動されるようになって、いかがですか?
龍香:
「しっくりきた」というより、「ずいぶん待たせちゃったな」という感覚でした。
人は、本当に少しの掛け違いで、自分を責めたり、我慢したり、「私はこういう人間だから」と決めつけてしまいます。でも、自分の中で起きていることに気づき始めると、表情や言葉、選ぶものまで変わっていくんです。
今までずっと周りに合わせていた人が、「私はこうしたい」と言えるようになったり。
自分には何もないと思っていた人が、「私にもできるかもしれない」と動き始めたり。
そうやって、その人らしさが戻ってくる瞬間を見るたびに、表に出ることを決めてよかったと思います。
横に並んで一緒に歩く存在でありたい
古森:
龍香さんが、このお仕事に込めている想いをお聞かせいただけますか?
龍香:
私が一番大切にしているのは、その人の力を奪わないことです。
カウンセリングでも講座でも、悩んでいるとどうしても「誰かに答えを教えてほしい」と思うことがあります。
もちろん、一緒に考えたり、必要なことをお伝えしたりはします。でも、「私がいなければ幸せになれない」という関係にはしたくないんです。その人の中には、もともと感じる力も、選ぶ力も、立ち直る力もあると私は思っています。
ただ、長い間我慢していたり、周りの期待に応え続けたり、傷ついた経験が重なったりすると、自分でもその力が分からなくなってしまうことがあります。
「どうしてまた同じことを繰り返してしまうんだろう」
「なぜこんなに怒るんだろう」
「どうしてこんなことで傷ついてしまうんだろう」
そんな時に、自分を責めるのではなく、「私の中では、いったい何が起きているんだろう」と、自分の内側に目を向けていく。
私は、それが「自分とつながる」最初の一歩だと思っています。
だから私は、前から引っ張っていく人ではなく、横に並んで歩く存在でありたいと思っています。半歩進む日があってもいいし、立ち止まる日があってもいい。時には後ろに下がることだってあります。
それでも、自分とのつながりを失わなければ、また自分で次の一歩を選ぶことができます。
最終的には、私がいなくても自分の人生を信じて進んでいける。そこまで一緒に歩くことが、私の仕事だと思っています。
古森:
だからこそ、皆さん安心して相談できるのですね。
これから一歩を踏み出す人にも、希望を受け取れる場所
古森:
FEAについてもお伺いします。FEAに参加されたきっかけを教えてください。
龍香:
主宰の土岐あいさんやギール里映さん、共通の友人とのご縁があったのがきっかけです。そこからFEAの活動についてお話を伺い、参加させていただきました。
古森:
女性起業家を取り巻く環境について感じることはありますか?
龍香:
今は、本当に生き方の選択肢が増えましたよね。
会社に勤めるだけではなく、起業したり、副業を始めたり、自分の経験や好きなことを仕事にしたり。以前なら「私には無理」と思っていたことにも挑戦できる時代になってきたと思います。
一方で、選択肢が増えたからこそ、「私は本当は何をしたいんだろう」と迷っている方もすごく多いと感じます。
だから、誰かと比べて起業するのではなく、自分が何を大切にして、どう生きたいのかを知ることが、これからますます大事になると思っています。
FEAには、すでに活躍されている方だけではなく、これから何か始めてみたい方にとっても、いろいろな生き方に触れられる良さがあります。
「こんな生き方もあるんだ」
「私にも何かできるかもしれない」
そう思える人と出会えるだけでも、大きなきっかけになると思うんです。
私の受講生の中にも、「ずっと自分には何もないと思っていた」という方がたくさんいます。でも、自分とつながり始めることで、自分が本当にやってみたかったことを思い出す方もいます。
そういう方たちが、自分のタイミングで一歩を踏み出せる場所がもっと増えていったら素敵だなと思っています。
全国を巡り、心がほどける場をつくりたい
古森:
最後に、今後の目標やチャレンジしていきたいことをお聞かせください。
龍香:
今、大きく育てていきたいと思っているのが「自分とつながる学校」です。
私自身、これまで何千時間と人の悩みや人生に触れてきました。そこで感じてきたのは、悩みの形は違っていても、その奥には共通するものがあるということです。
親子関係、夫婦関係、仕事、お金、人間関係。
一見すると別々の問題に見えますが、自分でも気づいていない反応や思い込みが、さまざまな場面に影響していることがあります。
「なぜか、いつも同じところでつまずく」
「頭では分かっているのに変えられない」
「いろいろ学んできたのに、日常に戻るとまた元に戻ってしまう」
そんな方は少なくありません。
だから「自分とつながる学校」では、正解を覚えるのではなく、自分の中で何が起きているのかに気づき、自分の感覚を取り戻し、日常の中で自分自身で選べるようになっていくことを大切にしています。
何か特別な人になるための場所ではなくて、
「私、こんなことを感じていたんだ」
「本当はこうしたかったんだ」
「もう、こっちを選んでもいいんだ」
と、自分自身に戻ってこられる場所をつくりたいんです。
全国でも、一方的に話を聞くだけの講演会ではなく、その場で一緒に考えたり、感じたりしながら、実際に自分の心に触れられるような時間を増やしていきたいと思っています。
まずは話を聞いてみたいという方が、気軽に学校の考え方に触れられる機会もつくっていきたいですね。
古森:
一対一のカウンセリングよりも気軽に、多くの方が救われるきっかけになりそうです。
龍香:
そうですね。
カウンセリングとなると、「そんなに大きな悩みはないから」と少し構えてしまう方もいらっしゃいます。
でも私は、大きな問題が起きてからではなく、
「最近ちょっと疲れているな」
「このままでいいのかな」
「もっと自分らしく生きたいな」
そんな時にも、自分の心に触れる機会があっていいと思っています。
一人が自分を大切にできるようになると、不思議なくらい周りとの関わり方も変わっていきます。
お母さんが変われば、家庭の空気が変わることもある。
一人の女性が自分らしく生き始めることで、パートナーや子ども、友人にも、その変化は少しずつ広がっていきます。
だから私は、一人ひとりが「自分自身とつながっていくこと」には、その人自身の人生だけにとどまらない意味があると思っています。
そして、全国を巡る中では、その土地の神社への参拝も一緒にできたらと思っています。
神社は、願いを叶えてもらうためだけに行く場所ではなく、日常の忙しさから少し離れて、自分を感じることのできる場所でもあると思うんです。
みんなで参拝して、感じたことを話したり、美味しいものを食べたり、笑ったり。時には飲み会だっていいと思っています(笑)。
学ぶことと、遊ぶことと、自分を感じること。
その全部がつながって、「ああ、私の人生って悪くないな」と思える時間を、全国につくっていきたいですね。
古森:
とても素敵なビジョンですね。
本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
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