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フリーランスの37.7%が、取引先とのトラブルを経験しています。
じゃあ、そのトラブルでいちばん多かったのは?
「発注の時点で、報酬や業務の内容などが明示されなかった」。37.0%です。
え、それ、頼む側の話じゃん。
「外注さんとうまくいかないのは、相手のスキルが足りないから」。そんな話、よく聞きますよね。私もこの思い込みを、データで確かめてみました。
上位に並んでいたのは、条件が示されない、支払いが遅れる、仕様や納期を一方的に変えられる。ぜんぶ、頼む側の話でした。
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原因は、受ける側のスキルより、頼む側の在り方だったりする。
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「お願いした仕事が、思ってたのと違って返ってくる」
「せっかく慣れてきた外注さんが、急に辞めちゃった」
「頼みたいことは山ほどあるのに、頼み方が分からない」
外注さんや在宅のサポーターさんに仕事をお願いし始めた女性起業家さんから、めちゃくちゃよく聞く話です。
私は会社員を3年で辞めて独立して、在宅で働いて23年になります。WEB制作で起業して、今は在宅ワークスクール【TPS】と女性起業家支援協会【FEA】を主宰しています。
これまで人にお願いしてきた仕事は、ざっくり約3億5,000万円。2022年11月に始めたスクールの受講生さん・卒業生さんへの発注は、累計で約6,000万円になりました。
※金額は、私の会社から実際にお支払いしてきた概算です。
つまり私は、23年ずっと「頼む側」に立って、現場で働く人たちを見てきた人間です。言ってみれば、発注の現場のフィールドワーカー。
スクールでは、仕事を「受ける側」の人たちとも、毎日向き合っています。両方を見てきたから、冒頭のデータには、正直うなずくしかなかったんですよ。
しかも今、国のルールも「頼む側」に向けて大きく変わっています。2024年11月にはフリーランスとの取引のルールを定めた法律が施行されて、2026年1月からは「下請法」が名前ごと変わりました。
この記事の順番は、データ、世の中の思い込み、私が現場で見てきたこと、そして最後にあなたの頼み方。外注さん・在宅サポーターさんに選ばれ続ける依頼主でいるための、7つのルールを書きます。
読んでほしいのは、外注さんや在宅ワーカーさんに仕事をお願いしている人、これからお願いしたい人。そんな女性起業家さん、個人事業主さんです。
最後には、依頼する前に書き出せるチェックシートも用意しました。保存して、ぜひ使ってみてね。
本編に入る前に
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1|データで見る、フリーランスと「頼む側」
フリーランスは257万人。国が初めて数えた
総務省の調査によると、フリーランスとして働いている人は257万人。そのうち、本業がフリーランスの人は209万人です。
(総務省統計局「令和4年就業構造基本調査」。フリーランス=実店舗がなく、雇人もいない自営業主または一人社長で、その仕事で収入を得る人)
フリーランスの数が国の基幹統計として把握されたのは、この調査が初めてでした。
国が「働き方のひとつ」として、ちゃんと数え始めたってことです。
私たちが仕事をお願いする相手の多くも、この中にいます。デザイナーさん、ライターさん、オンライン秘書さん、動画編集者さん、事務局を回してくれる方。
会社じゃなくて個人で、多くは自宅で仕事を受けている人たちです。
4割近くがトラブルを経験。その中身は
内閣官房の調査では、事業者から仕事を受けているフリーランスのうち、取引先とのトラブルを経験したことがある人は37.7%でした。
(内閣官房日本経済再生総合事務局「フリーランス実態調査結果」2020年5月。事業者から業務委託を受けて仕事をするフリーランス3,234人が対象)
トラブルの中身でいちばん多かったのは、冒頭の「発注の時点で、報酬や業務の内容などが明示されなかった」で37.0%。
次が、「報酬の支払が遅れた・期日に支払われなかった」で28.8%でした。
ほかにも、仕様や納期を一方的に変えられた、業務の範囲でもめた、不利な条件を求められた、といった回答が2割台で並んでいます。
何も言われない=満足してくれている?
もうひとつ、見てほしい数字があります。
トラブルがあっても「交渉せずに受け入れた」人が、21.3%。
受け入れた理由で多かったのは、「受け入れないと、今後、取引が打ち切られたり減らされたりして、活動に大きな支障が出るから」というものでした。
これ、見ていて胸が痛い。
頼む側からすると、何も言われなければ「うまくいってる」と思いますよね。
でも受ける側は、言いたいことがあっても、言えないことが多いんです。
「何も言われない=満足してくれている」。これが、頼む側がいちばん持ちやすい思い込みかもしれません。
気づかないうちに、相手に我慢をさせている。私が23年間で何度も見てきた景色と、まんま重なります。
2|「下請」という言葉が、法律から消えた
フリーランス法は、一人で事業をしている人にも関係する
2024年11月1日、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」が施行されました。通称、フリーランス・事業者間取引適正化等法(フリーランス法)です。
名前、長いですよね笑
一息で言えたら、たぶん全集中の呼吸が使えます。
この法律では、フリーランスに仕事をお願いする側が、守るべきことが決められています。
・取引条件の明示
・期日における報酬の支払
・受領拒否や報酬の減額、買いたたきなどの禁止
・募集情報の的確な表示
・育児介護などと仕事の両立への配慮
・ハラスメント対策の体制づくり
・中途解除などの事前予告と理由の開示
(公正取引委員会・中小企業庁ほか「フリーランス・事業者間取引適正化等法パンフレット」)
私がいちばん大事だと思っているのは、最初の「取引条件の明示」。
仕事をお願いしたら、すぐに、何を、いつまでに、いくらで、いつ支払うのか。これを、書面やメール、チャットなどで示さなければなりません。
1章で見た、トラブルの1位。まさに、ここなんです。
で、ここが大事なところ。この義務は、発注する側がフリーランスでも対象になります。
「私は一人でやっている小さな事業だから関係ない」じゃないんですよ。
従業員を雇っている発注者には、さらに、受け取った日から60日以内のできるだけ早い日を支払期日と決めて支払うことなども加わります。
困ったときに弁護士に相談できる、「フリーランス・トラブル110番」という窓口もあります。
「下請法」が「取適法」に変わった
もうひとつの変化が、2026年1月1日。
これまでの「下請法」が改正されて、「中小受託取引適正化法」、通称「取適法」になりました。
呼び方も変わっています。「親事業者」は「委託事業者」に、「下請事業者」は「中小受託事業者」に。
価格の協議に応じずに一方的に代金を決めること、手形での支払い、振込手数料を受ける側に負担させること。こういったことも、禁止されるようになりました。
(公正取引委員会・中小企業庁「取適法リーフレット」)
取適法は、資本金や従業員数で対象になる取引が決まります。個人で事業をしている私たちが直接の対象になる場面は、多くないかもしれません。
それでも私は、この変化をめちゃくちゃ大きなことだと受け止めています。
だって、「親」と「下」ですよ。
お金を払う側が親で、受ける側が下。法律の言葉が、ずっとそうなっていたんです。
「お金を払うほうが上」。誰かにそう教わったわけじゃなくても、こういう言葉に囲まれていたら、いつの間にか染みついていても不思議じゃありません。
国会の中で聞いた、国からのメッセージ
昨年の12月、衆議院会館で開かれた中小企業庁の勉強会に参加しました。FEAとTPSを主宰している立場として、国の取り組みを学んでおきたかったんです。
印象に残ったのが、まさにこの「下請」という言葉を使わず、「受託」という表現に移っていくという話。
取引の悩みを相談できる「取引かけこみ寺」や、不正な取引を調べる「取引Gメン」があることも、そのとき知りました。
不利な条件、一方的な変更、支払いの問題。そうしたことを「我慢せず、早い段階で相談してほしい」と伝えられていました。
これ、単なる言葉の変更じゃないと思うんです。
一方的な力関係を前提にした取引を、国として正していく。そういう、はっきりしたメッセージ。
しかもこれは、大きな会社だけの話じゃありません。
SNSで発信して、講座やサービスを売っている私たち女性起業家も、毎日のように誰かに仕事をお願いしてますよね。
国が「対等な取引」を本気で進めようとしている今、私たちも「頼む側」の在り方を見直すタイミングに来ている。
勉強会の話を聞きながら、そう強く感じました。
3|外注さんに選ばれ続ける、「依頼する側」の7つのルール
ここからは、私が実際に気をつけている7つのルールです。
法律と重なる部分もありますが、法律よりも手前の「在り方」の話だと思って読んでください。
ルール1:企画・構成・提案は「準備」ではなく成果物として扱う
企画、構成、改善提案、アイデア出し。これ、「ちょっと考えてみる」レベルの仕事じゃないです。
その裏側には、リサーチ、ヒアリング、競合の分析、目的やゴールの整理といった、目に見えない作業がゴリゴリある。
納品物の手前で、すでに大きな労力が払われているんですよ。
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企画は準備じゃない。それ自体が成果物。
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この認識がないまま、「とりあえず案だけ出してもらえますか」と気軽に頼んじゃう起業家さん。正直、少なくないです。
だから企画や構成をお願いするときは、それ自体をひとつの仕事として、内容と金額を最初に決めておくのがおすすめ。
採用するかどうかに関わらず、考えてもらった時間には価値がある。私はそう考えています。
ルール2:「複数案」を頼むなら、その分の対価を払う
デザイン案や構成案で、よく聞くのがこの言葉。
「一案だと判断できないから、複数出して比べさせてください」
この一言の裏では、考えを枝分かれさせて、コンセプトを複数立てて、それぞれを形にする作業が発生しています。単純に考えても、倍以上の負荷。
それなのに、採用は1案、支払いも1案分。
影分身の術で3人分働いてもらって、お支払いは本体1人分。それ、忍の里でもたぶんもめます笑
ほぼ、無償のコンペですよね。
比べて選びたいなら、最初から「3案でこの金額」と、案の数を決めて頼む。あるいは、まず方向性だけを言葉で相談して、1案に絞ってから作ってもらう。
どっちでもいいんです。大事なのは、相手の作業量を見えないままにしないこと。
ルール3:自分の基準で「すぐ」を求めない
「私ならこれくらいすぐできるから、すぐやって」
「明日の朝までにお願い」
この頼み方って、相手の環境、稼働時間、生活の背景を無視することになるんです。
在宅ワーカーさんの多くは、ほかに仕事を持っていたり、子育てや介護をしていたりします。たいていは複数の案件を抱えていて、優先順位をつけながら、納期に合わせてスケジュールを組んでいます。
即対応を求めるってことは、その予定を全部組み直してもらうってこと。
時を止められるスタンド使いなら、話は別ですけどね笑
会社員時代に広告代理店や制作会社と仕事をしてきた方は、ここに気づきにくいことがあります。
当時の相手は、人も資金もある「体力のある組織」でした。
でも今、私たちがお願いしている相手は、個人事業主さん、副業の在宅ワーカーさん、少人数のチーム。大きな会社と同じ感覚で無理を重ねてもらうと、本当に潰れちゃいます。
これは気持ちの問題じゃなく、構造の問題。
急ぎの仕事が出ることも、もちろんあると思います。そのときは、急ぎであることと、その分の配慮をセットで伝える。金額のこと、ほかの作業を後ろにしてよいこと、などですね。
そうすると、相手も調整がしやすくなります。
ルール4:指示が伝わらないときは、伝える側を見直す
23年経営者をやってきて感じているのが、指示が伝わっていないとしたら、伝える側の指示の出し方や言葉の選び方の問題が大きいってこと。
すれ違いが起きるときは、だいたいどちらか、もしくは両方が勘違いしてる。
だからこそ、すれ違いが起きないためのやりとり、すり合わせ、詰め、準備が必要です。
面倒に感じるかもしれません。でも、ここを面倒くさがらない方が、結局は面倒なことにならない。私は経験上、それをよく知っています。
私はAIと一緒に、予約管理システムや顧客管理システムを作りました。コードは書いていません。
AIに仕事を頼むときも、ゴールが曖昧だと、思ったものは返ってきません。何のために、何を、どんな形で欲しいのか。これを具体的に伝えると、ぐっと精度が上がります。
相手がAIでも人でも、伝える側の準備で結果が変わるのは同じ。
23年やっていても、伝え方や指示の出し方は、まだまだ日々検証中ですけどね。
ルール5:ミスは人ではなく、仕組みで防ぐ
ミスが起きるとしたら、指示を出す側がチェックしていないか、チェックが働かない仕組みになっているか。問題はそこなんです。
AIにしても人にしても、そのときの限界はどうしてもあります。得意な分野も、作業の速さもそれぞれ。状況によっても変わる。
だから私は、その人の得意を理解して、いちばん力を発揮できるところに入ってもらう。そのうえで、指示と準備とチェックを整える。これを大事にしています。
仕組み化やチームづくりは、WEB制作で起業した頃からやってきました。もっと言えば、会社員としてWEB制作をしていた頃から、外注のフリーランスの方たちとチームを組んで仕事をしていました。
昨年の秋、喉風邪をひいて声が出なくなって、家で横になっていたことがあります。喋ることが仕事なので、打ち合わせもセッションも撮影もできない。
それでもその間、スタッフさんたちからは
・入金確認のお知らせ
・勉強会の開催報告
・個別相談の報告
・リアルセミナーの出席人数
・忘年会のLPが完成したという連絡
が、次々に届いていました。
当時、随時80〜100人ほどのスタッフさんが動いてくれていて、毎月100〜300万円をお支払いしていました。
私が倒れていても、仕事が止まらない。社長がいなくても回る会社って、ありがたいような、ちょっと寂しいような笑
それは、一人ひとりの力と、ミスを人のせいにしない仕組みがあるからだと思っています。
ルール6:萎縮させない、謝らせない
できないことを叱ったり、見放したり、責めたりすること。これ、生産性がないばかりか、相手を萎縮させて、むしろ効率を落とします。
人って緊張しているとき、驚くほど力が出せなくなるものなんですよね。
今年の1月、ChatGPTに「これまで私があなたをどう扱ってきたか、画像で示して」と頼むのが流行りましたよね。
私もやってみたところ、出てきたのは何の変哲もない地味〜な画像でした笑
ほかの方の画像もたくさん見ましたが、中には、かなり厳しい扱いが表れている画像もありました。
長くSNSの世界にいると、外注さんへの当たりが本当にきつい人がいることも、よく知っています。AIへの接し方には、普段の人への接し方が表れるのかもしれない。そんなことを感じた出来事でした。
もうひとつ、最近スタッフさんに伝えていることがあります。
とても優秀なのに、ずっと謝ってばかりの人がいるんです。
「大変申し訳ありません」
「失念しておりまして申し訳ありません」
悪いことをしていないのに謝る。こちらが気にしていないのに謝る。むしろ、こちらが気づいてもいないのに謝る。
すると、その人が悪いことになってしまって、だんだん上下関係ができていく。無理を押しつけられても、それが当たり前になっていく。そして疲れ果てて、辞めたくなってしまう。
依頼する側にできることは、相手が謝らなくていい空気をつくることだと思っています。
そうすると、「この作業はコストがかかりすぎそうです」「このやり方より、こちらの方が早いです」という言いにくいことも、早めに言ってもらえるようになります。
私がスクールで「自分の作業費も経費だという意識を持って、コストがかかりそうなら早めにクライアントに知らせて」と伝えているのは、まさにこのため。
傷になる前に知らせてくれる人がいると、依頼する側は本当に助かります。でもそれは、依頼する側が、言いやすい関係をつくっていてこそなんですよ。
ルール7:対等な関係で、長く付き合う
FEAでは、女性起業家同士が支え合い、協業し、ともに成長することを大切にしています。上下じゃなく、フラットな関係をすすめています。
仕事を依頼する側と受ける側という立場の違いはあっても、
・対等であること
・尊重があること
・役割と責任がはっきりしていること
この3つを、私はとても大事にしています。
そのうえで、長く付き合うこと。
今、私の会社でメインのディレクターをしてくれている2人とは、20年以上の付き合いです。
人を育てるのには、時間がかかります。だから私は、3年、5年、10年という単位で、一緒に歩んでいくつもりで仕事をお願いしています。
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急いではいるけれど、急がない。
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目の前の納品だけじゃなく、その人がこの先どう育っていくかも、一緒に見ていく。それが結果的に、いちばん頼りになるチームをつくってくれました。
4|依頼主も、受ける側から選ばれている
育った人ほど、依頼が集まって手が空かなくなる
昨年の春、私は「まだ全然人手が足りていません」とSNSで呼びかけていました。
ちょうどその頃、スクールで2年目を迎えた受講生さんたちが、目覚ましく成長していたんです。
・チームのリーダーとして、みんなを引っ張ってくれる人
・複数のクライアントさんの秘書や、コミュニティ運営をしている人
・会社員を続けながら、すでに10のクライアントを抱えるオンライン秘書になった人
そうなると、何が起きるか。
育った人たちは、私の会社以外からも依頼が集まって、手がいっぱいになっちゃうんです。お願いしたくても、お願いできない。うれしいジレンマでした。
これ、依頼する側から見ると、大事なことを教えてくれます。
力のある外注さんほど、仕事を選べる立場にいる。つまり、依頼主も「この人の仕事を受けたいか」と選ばれる側にいるってことです。
「それ、あなたの会社の話でしょ?」と思った方へ
はい、うちの会社の話です。
でも、1章で見たのはフリーランス全体の数字。ここで見ているのは、ひとつの現場。
全体の数字と、ひとつの現場。両方を並べてみると、自分の頼み方がどのあたりにいるのかが、見えてきます。
受ける側の意識も、依頼する側の意識も
もちろん、受ける側にも求められることはあります。
スクールでは、指示を待つんじゃなく、頼まれたことの前後左右と全体を見て、プラスアルファの提案ができる人になろう、と伝えています。
自分が依頼主にとって経費であることを理解して、売上を上げる提案や経費を減らす工夫ができる人は、結果として報酬も上がり、手放されなくなります。
でも、そういう人が力を出せるかどうかは、依頼する側の在り方にもかかっています。
条件があいまいなまま、即対応を求められ、ミスを責められ、謝ってばかり。そんな関係じゃ、どんなに力のある人も、提案する気持ちが小さくなっていきます。
いい外注さんに長くいてもらえる依頼主は、7つのルールのどれかを自然と守っている人。私はそう感じています。
5|保存用:依頼する前のチェックシート
ここからは、次に仕事をお願いするときに使える記入欄です。
今お願いしている仕事、これからお願いしたい仕事。どれかひとつ思い浮かべて、書き出してみてください。
①お願いしたい仕事と、そのゴール
例:講座の申し込みページを作ってほしい。ゴールは月末までに募集を始めること
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②納品してほしいものと、その形
例:完成したページ1つ。スマホで確認できる状態。修正は2回まで
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③金額と支払日
例:〇〇円。納品を確認した月の翌月末に振り込み
______
④企画・案出しを含むか。案の数はいくつか
例:構成案は1案。方向性はその前に言葉ですり合わせる
______
⑤納期と、相手の稼働できる時間
例:2週間後。相手は平日の日中のみ稼働。急ぎのときは事前に相談する
______
⑥ミスを防ぐためのチェックの仕組み
例:公開前に私が一度確認する。チェック項目を一覧にして渡す
______
⑦条件を残す場所
例:チャットの発注メッセージにまとめて送り、相手の確認をもらう
______
書き終えたら、③と④をもう一度見てください。
金額の中に、考えてもらう時間や、比べるための複数案の分が、ちゃんと入っているか。
1章のトラブル1位を思い出してください。ここが曖昧なままのお願いが、トラブルのいちばんの入り口になりやすいんです。
6|まとめ:その「当たり前」、誰が決めた?
フリーランスは257万人。そして、事業者から仕事を受けているフリーランスの4割近くが、取引先とのトラブルを経験していました。いちばん多かったのは、「条件が示されなかった」。
2024年11月にはフリーランス法が施行され、2026年1月には「下請法」が「取適法」に変わりました。
そして、7つのルール。
・企画・構成・提案は、成果物として扱う
・複数案を頼むなら、その分の対価を払う
・自分の基準で「すぐ」を求めない
・伝わらないときは、伝える側を見直す
・ミスは、仕組みで防ぐ
・萎縮させない、謝らせない
・対等な関係で、長く付き合う
最後に、ひとつだけ聞かせてください。
「外注さんには、早く安く頼めるもの」
「企画や案出しは、仕事の前の準備」
「何も言われないなら、満足してくれている」
「お金を払うほうが、上」
それ、本当にあなたが思っていることですか?それとも、いつの間にか社会につけられた値札を、自分の考えだと思い込んでいるだけですか?
頼み方は、最後は人それぞれでいいと思っています。仕事の内容や相手によって、合うやり方も変わります。
ただ、その「人それぞれ」に、一回ちゃんと考えてからたどり着いてほしいんです。
昭和生まれの私たちは、就職氷河期やブラック企業で働いてきた人も多い世代。自分にも他人にも厳しく、根性でなんとかしてきた。
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そういう時代は、もう終わりました。
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FEAとTPSで私が目指しているのは、誰かが我慢して成り立つ関係じゃありません。我慢を前提としない働き方で、安心して力を出し合える関係をつくること。
自分を犠牲にしない。相手も犠牲にしない。それが、これからの女性起業家が長く続けていける働き方だと、私は思っています。
まずは次にお願いする仕事で、条件をひとつ、言葉にして送ってみてください。その小さな一歩が、選ばれ続ける依頼主への入り口です。
外注さんへの頼み方や、どんな仕事を切り出せば事業が回りやすくなるのか。
ご自身の事業に合わせて一緒に考えたい方は、個別相談でお話を聞かせてください。
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【出典】
・総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の要約」2023年7月21日
・総務省統計局「統計Today(No.197)基幹統計として初めて把握したフリーランスの働き方~令和4年就業構造基本調査の結果から~」
・内閣官房日本経済再生総合事務局「フリーランス実態調査結果」2020年5月
・公正取引委員会・中小企業庁ほか「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)パンフレット」
・公正取引委員会「トリテキ法の注意ポイント-代金編-(取適法リーフレットNo.01)」2025年10月
・公正取引委員会・中小企業庁「中小企業・小規模事業者の皆様へ『下請法』が変わりました!」(取適法リーフレット)
・公正取引委員会「取適法の概要」
