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女性向けサービスは、なぜ女性に届かないのか ──「女性のため」が失敗する本当の理由

女性向けサービスは、なぜ女性に届かないのか ──「女性のため」が失敗する本当の理由
大阪府 仁蓉まよ 女性向けサービスは、なぜ女性に届かないのか ──「女性のため」が失敗する本当の理由

私は助産師として女性のライフステージに寄り添い、社会起業家として女性支援事業を運営し、企業のPRやマーケティングにも携わってきました。その中で何度も感じてきたことがあります。

それは、「女性のためにつくったサービス」が、必ずしも女性に選ばれるわけではないという現実です。

市場には「女性向け」と名付けられた商品やサービスが数多く存在します。しかし、期待されたほど利用されず、短期間で姿を消してしまうものも少なくありません。

なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。

その理由は、女性を理解していないからではありません。むしろ、「女性」という言葉をひとつの存在として捉えてしまうことにあります。

本稿では、女性支援、医療、福祉、マーケティングの現場から見えてきた、「女性のため」が届かない本当の理由について考えてみたいと思います。

「女性」は一つの市場ではない

仁蓉まよ

企業では「女性市場」という言葉がよく使われます。

しかし実際には、20代の独身女性と50代の働く母親では、価値観も課題も全く異なります。

さらに同じ30代であっても、未婚、既婚、子育て中、介護中、起業家、会社員では、必要としているサービスは大きく変わります。

つまり、「女性向け」という発想そのものが、大きすぎる括りなのです。

共感だけでは選ばれない時代

仁蓉まよ

かつては「共感」がマーケティングの重要な要素でした。

もちろん現在でも共感は大切です。

しかし現代の女性は、SNSやAIを活用し、多くの情報を比較した上で意思決定しています。

「なんとなく共感した」だけでは購入には至りません。

このサービスは本当に自分の人生を良くしてくれるのか。

その問いに答えられる価値が求められているのです。

本当に必要なのは「生活理解」

仁蓉まよ

女性支援の現場では、「正しい情報」を届けても行動につながらないことがあります。

それは、その人の生活背景が見えていないからです。

時間がない。

育児で余裕がない。

介護をしている。

仕事が忙しい。

経済的な不安がある。

人は、生活の中で選択します。

生活を理解しないサービスは、どれほど正しくても届きません。

「便利」は価値にならない

仁蓉まよ

企業は新しい機能を追加することに力を注ぎます。

しかし女性が求めているのは、機能ではなく「安心して使い続けられる体験」であることが少なくありません。

予約しやすい。

相談しやすい。

迷わない。

恥ずかしくない。

こうした細かな体験設計こそが、継続利用につながる価値になります。

支援ではなく伴走が求められる

仁蓉まよ

女性の人生には、進学、就職、結婚、妊娠、出産、介護、更年期など、多くの転機があります。

必要なのは、一度だけサービスを提供することではありません。

人生の変化に合わせて伴走できる仕組みです。

単発の商品ではなく、長期的な信頼関係を築けるサービスが、これからの時代には求められています。

「女性の声」を聞くだけでは足りない

仁蓉まよ

企業はアンケートやインタビューを実施します。

もちろん重要な取り組みです。

しかし、人は自分でも気づいていない課題を言葉にはできません。

だからこそ必要なのは、現場で女性の生活を観察し、行動を理解し、背景を読み解く姿勢です。

マーケティングは、意見を集めることではなく、暮らしを理解することから始まります。

支援とビジネスは対立しない

仁蓉まよ

「女性支援」と聞くと、社会貢献という印象を持つ方も多いでしょう。

しかし私は、支援と事業は両立できると考えています。

本当に女性の課題を解決できるサービスは、結果として継続的な利用につながり、企業の成長にも結び付きます。

社会的価値と経済的価値は、対立するものではありません。

両方を実現する設計こそが、持続可能な女性支援になるのです。

「女性のため」から「一人ひとりのため」へ

仁蓉まよ

これからの時代に必要なのは、「女性向けサービス」を増やすことではありません。

一人ひとりの人生を理解し、それぞれの意思決定に寄り添うサービスをつくることです。

女性を一つの市場として見る時代は終わりを迎えています。

これからは、多様な人生、多様な価値観、多様な選択を前提に設計することが、企業にも行政にも求められます。

私は、女性支援とは「女性だけを支援すること」ではなく、一人ひとりが自分らしい人生を選択できる社会をつくることだと考えています。

その視点に立ったとき、「女性のため」という言葉は、初めて本当の意味を持つのではないでしょうか。

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