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私は助産師として医療の現場に立ち、社会起業家として福祉や女性支援、企業との連携にも携わってきました。
その中で強く感じるのは、「知識を持つこと」と「知識を社会の価値へ変えること」は、まったく異なるということです。
現代はAIやデジタル技術の発展により、知識そのものは誰もが容易に手に入れられる時代になりました。しかし、本当に求められているのは、得た知識を組み合わせ、新しい価値や仕組みを生み出す「知識創造」の力です。
文部科学省は、Society5.0時代を見据え、AI・データサイエンスなどの知識に加え、自ら課題を発見し、多様な知識を活用しながら新たな価値を創造できる人材の育成を推進しています。
これは女性のキャリア形成においても極めて重要な視点です。
学びは「知識」から「価値」へ変わる
これまでの教育では「知識を覚えること」が重視されてきました。しかし現在は、知識を社会課題の解決や新しいサービスへ結び付ける能力が求められています。
実際に、文部科学省の「マナパス」は、社会人が大学や専門機関で学び直しを行える全国規模の学習情報ポータルを運営しています。
単なる資格取得ではなく、仕事や地域社会で新たな価値を創出するためのリカレント教育を支援しています。
『学びを人生の途中で更新する』という考え方そのものが、知識創造の基盤になっています。
女性の経験は新しい知識を生み出す資源
女性は仕事、出産、育児、介護など、多様なライフイベントを経験します。これらはキャリアの中断ではなく、新しい知識を生み出す貴重な経験資産でもあります。
具体例としては、科学技術振興機構(JST)は「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」を実施し、女子生徒が科学技術分野へ進む機会を広げています。
この事業では大学や研究機関が実験体験や研究者との交流を提供し、多様な視点がイノベーションにつながる環境づくりを進めています。
女性の経験や視点そのものが、新しい知識創造の源泉であるという考え方が背景にあります。
「知識創造」
人生100年時代では、一度身に付けた知識だけで働き続けることは難しくなっています。
厚生労働省は文部科学省や経済産業省と連携し、リカレント教育や教育訓練給付制度などを通じて社会人の学び直しを支援しています。
働きながら学び続けられる環境整備は、知識を更新し続ける社会基盤として位置付けられています。
学び直しはキャリアのやり直しではなく、新しい価値を生み出すための再設計なのです。
AI時代ほど「問いを立てる力」が重要になる
AIは知識を検索し、整理することは得意です。
しかし、『どのような問いを立てるか』は人間の創造性に委ねられています。
文部科学省は「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」を通じて、AIやデータサイエンスを活用できる人材育成を全国の大学で推進しています。
単に知識を習得するだけでなく、データを基に課題を発見し、解決策を考える力を育成することが重視されています。
AIを使いこなす時代だからこそ、人間の知識創造力がより重要になっています。
学びは個人ではなく社会を豊かにする
知識創造は個人の成功だけでは終わりません。新しい知識は周囲へ共有されることで、社会全体の価値として広がっていきます。
具体例として、文部科学省が運営する「マナパス」では、全国の大学や専門学校などが提供する多様な学び直し講座を検索できるほか、受講者の学習事例も紹介しています。
社会人が得た知識や経験を新たな学びへつなげる仕組みを整えることで、学びを個人だけのものではなく、社会全体へ循環させることを目指しています。
個人の経験を他者の学びへつなげることも、知識創造の重要な役割なのです。
女性リーダーに必要なのは知識の共有力
リーダーとは、正確には自分だけが知識を持つ人ではありません。組織全体で知識を共有し、新しい価値を生み出せる人です。
科学技術振興機構(JST)が実施する「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」では、大学や研究機関、企業、自治体などが連携し、理系分野への興味や理解を深める学習機会を提供しています。
一つの組織だけでは実現できない人材育成を、多様な機関が知識や経験を持ち寄ることで支えている点は、知識共有の好例といえるでしょう。
知識を共有する力は、女性リーダーに欠かせない資質の一つです。
学び続ける人が未来を創る
知識は一度得れば終わるものではありません。社会が変化すれば、必要な知識も変わります。
具体例としては、文部科学省の「マナパス」は、「いつでも・どこでも学べる学び直し」の情報を提供するポータルサイトとして運営され、社会人が年齢や職業に関わらず学び続けられる環境づくりを支えています。
変化の激しい時代だからこそ、知識を更新し続けることが、新しい価値を生み出し続ける原動力になります。
知識創造は女性の未来を切り拓く力
助産師として命の誕生に寄り添い、女性支援や福祉事業、企業との協働を通して、多くの女性が人生の節目で新しい選択をしていく姿を見てきましたが、その経験から確信しているのは、女性の人生を変えるのは「知識の量」ではなく、「知識を価値へ変える力」だということです。
学びは資格を増やすためだけのものではありません。社会課題を解決し、誰かの役に立ち、新しい仕事や事業を生み出す原動力となります。そして、その価値は自分一人に留まらず、家族、地域、企業、社会へと広がっていきます。
これからの時代、女性のキャリアを支える最大の資産は、お金だけでも、肩書きだけでもありません。
学び続け、経験を知識へ、知識を価値へ、そして価値を社会へ循環させる「知識創造力」こそが、未来を切り拓く最も大きな力になると私は考えています。
