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こんにちは、仁蓉まよです。
私は助産師として、そして婚活支援や福祉事業に携わる中で、多くの女性の人生相談を受けてきました。
その中で近年強く感じるのは、「結婚できるかどうか」よりも、「困ったときに頼れる人がいるかどうか」が人生の安心感を左右する時代になっているということです。
国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、日本の単独世帯(ひとり暮らし世帯)の割合は2020年の38.0%から2050年には44.3%まで増加すると予測されています。つまり、今後は約2世帯に1世帯が単独世帯に近い社会になる可能性があるのです。
こうした変化の中で注目されているのが、「ケアコミュニティ経済」という考え方です。家族だけに依存するのではなく、友人や地域、コミュニティが支え合うことで安心と経済的価値を生み出す新しい社会モデルです。
本稿では、その可能性について考えてみたいと思います。
家族モデルの変化が始まっている
日本では家族のあり方そのものが変化しています。
国立社会保障・人口問題研究所によると、2020年の50歳時未婚率は男性28.25%、女性17.81%でした。かつて「生涯未婚率」と呼ばれていた指標であり、男性は約3人に1人、女性は約5人に1人が50歳時点で結婚経験を持たない時代になっています。
結婚しないことが特別ではなくなった今、人生を支える仕組みを夫婦だけに依存する考え方は現実と合わなくなりつつあります。
家族の多様化は、支え合いの形も多様化させているのです。
女友達は感情資産になる
私は以前、「女友達は人生のインフラになる」というテーマを書きました。
実際、多くの女性は転職、婚活、育児、介護など人生の重要な局面で友人に相談しています。
内閣府や高齢社会白書でも、困ったときに頼れる人がいない状態は孤立や生活不安につながることが指摘されています。
つまり友人関係は単なる人間関係ではありません。
情報を得る力、安心感を得る力、孤立を防ぐ力を持った「社会関係資本(ソーシャルキャピタル)」なのです。
シェア居住が新しい安心を生む
欧州ではコレクティブハウジングやコハウジングと呼ばれる共同居住の仕組みが広がっています。
特にデンマークやオランダでは、
・食事の共有
・見守り機能
・家事分担
・孤独予防
などを目的とした住まいづくりが進んでいます。
日本でも女性専用シェアハウスや共助型住宅が増えつつあります。
住居費を抑えるだけではありません。
病気のときに声を掛けられる人がいる。
緊急時に助けを求められる人がいる。
その安心感自体が、新しい住まいの価値になっているのです。
非婚社会は孤独社会ではない
非婚化が進むと、「孤独な社会になる」と語られることがあります。
しかし実際には、結婚の有無と孤独感は必ずしも一致しません。
日本では2024年から孤独・孤立対策推進法が施行され、国としても「人と人とのつながり」を社会課題として位置づけています。
これは孤独が個人の問題ではなく、社会全体で取り組むべきテーマになったことを意味します。
結婚しているかどうかではなく、複数の居場所やコミュニティを持っているかどうかが重要になっているのです。
共助は経済合理性を持つ
共助という言葉には、どこか理想論の印象があります。
しかし実際には非常に経済合理性があります。
例えば、
・子育ての相互支援
・高齢者の見守り
・買い物支援
・移動支援
などが地域で行われることで、公的サービスだけでは補えない部分を支えることができます。
内閣府や厚生労働省が孤独・孤立対策を推進している背景にも、人とのつながりが健康や生活の安定に深く関わるという認識があります。
支え合いは優しさだけではなく、社会コストを抑える仕組みでもあるのです。
女性コミュニティが経済圏をつくる
女性向けコミュニティは今や大きな経済的影響力を持っています。
婚活コミュニティ、起業家コミュニティ、ママコミュニティなどでは、口コミが購買行動に大きく影響します。
マーケティングの世界では、広告よりも信頼できる人からの推奨が強い購買動機になることが知られています。
私はイベント企画や女性支援事業を通じて、「人は商品ではなく人を通じて意思決定する」場面を何度も見てきました。
コミュニティは消費者の集まりではなく、一つの経済圏として機能し始めているのです。
ケアは消費から投資へ変わる
近年、ウェルビーイングや予防医療への関心が高まっています。
プレコンセプションケア、メンタルヘルス、睡眠改善、コミュニティ活動などは、一見すると支出に見えるかもしれません。
しかし長期的には、
・医療費の抑制
・介護負担の軽減
・労働生産性の向上
・生活満足度の向上
につながります。
ケアはコストではなく未来への投資という考え方が、世界的にも広がりつつあります。
ケアコミュニティ経済が描く未来
私は助産師として、そして福祉経営者として、人は誰も完全な自立だけで生きることは難しいと感じています。
これからの時代に必要なのは、「誰にも頼らず生きる力」ではありません。
必要なときに支え合える関係性を持つ力です。
夫婦、家族、友人、地域、コミュニティ。
それぞれが人生のセーフティネットとなり、安心を支える資産になります。
単身世帯が増え、非婚化が進む時代だからこそ、ケアコミュニティ経済はさらに重要になります。
それは優しさを制度や仕組みに変える挑戦であり、すべての女性が安心して未来を描ける社会への新しい設計図なのです。
