女性の人生において、「自己肯定感を高めましょう」という言葉は、よく語られてきました。
もちろん、自分を否定しすぎないことは大切です。
けれど仁蓉まよは、女性の人生を本当に前に進める力は、自己肯定感だけではなく、むしろ自己効力感にあると考えています。
自己効力感とは、「私は行動すれば、状況を少し変えられる」という感覚のことです。
本稿では、女性の意思決定と人生設計に必要な“動ける自信”についてお伝えします。
肯定だけでは動けない
自己肯定感は、「今の自分にも価値がある」と感じる力です。
それは心の土台として、とても重要です。
ただし、自己肯定感だけでは現実は変わりません。
「私は大丈夫」と思えても、交渉する、断る、選ぶ、稼ぐ、助けを求めるという行動に移せなければ、人生の状況は変わりにくいのです。
必要なのは動ける自信
自己効力感は、「自分にはできる可能性がある」と感じる力です。
完璧にできる自信ではありません。
小さく試せる。
失敗しても修正できる。
誰かに頼りながら進める。
この感覚がある女性は、人生の選択肢を広げやすくなります。
大切なのは、根拠のないポジティブさではなく、経験から育つ現実的な自信なのです。
女性は失敗を恐れやすい
多くの女性は、幼い頃から「失敗しないこと」「迷惑をかけないこと」「きちんとすること」を求められがちです。
その結果、挑戦よりも安全を優先する判断が身についてしまうことがあります。
けれど、人生は失敗しない人が前に進むのではありません。
失敗しても立て直せる人が、選択肢を増やしていくのです。
小さな成功体験が鍵
自己効力感は、気合いでは育ちません。
育てるために必要なのは、小さな成功体験です。
自分で予約を取る。
値段を決める。
不要な誘いを断る。
一人で相談に行く。
小さく発信してみる。
こうした一つひとつの行動が、「私は自分の人生に関与できる」という感覚をつくっていきます。
支援は代行ではない
女性支援の現場で大切なのは、本人の代わりにすべてを決めることではありません。
本当に必要なのは、本人が自分で選び、試し、修正できる環境を整えることです。
支援が過剰になると、女性は守られているようで、意思決定の経験を失ってしまうことがあります。
支援とは、依存を増やすものではなく、自己効力感を回復させる設計であるべきなのです。
仕事にも効力感が要る
キャリアにおいても、自己効力感は欠かせません。
「私は評価される人間だ」と思うだけではなく、「交渉できる」「学び直せる」「働き方を変えられる」と感じられることが重要です。
転職、副業、起業、復職、昇進。
どの場面でも必要なのは、完璧な自信ではなく、動きながら調整できる力です。
身体の声も信じる力
助産師として多くの女性と関わってきた中で感じるのは、女性が自分の身体の声を信じる力も、自己効力感の一部だということです。
不調を我慢しない。
検査を受ける。
医療者に質問する。
休む判断をする。
身体に対しても「私は自分の状態を扱える」と感じられることが、人生の安心につながります。
人生は変えられる
自己肯定感は、自分を否定しないために必要です。
けれど自己効力感は、人生を実際に動かすために必要です。
女性に必要なのは、「私はこのままでいい」と思う力だけではありません。
「私はここから変えていける」と感じられる力です。
仁蓉まよは、女性たちが自分の人生に対して、もっと実感を持って関与できる社会をつくりたいと考えています。
自己効力感は、その第一歩になるのです。
