こんにちは、仁蓉まよです。助産師として女性の健康に携わり、また社会起業家として福祉やキャリア支援の現場を見てきました。その中で強く感じるのは、近年注目されている「フェムテック(Femtech)」が単なる商品やアプリの流行ではなく、「自分の身体や心を知る力」を育むためのツールであるということです。本稿では、フェムテックの本質と、そこから広がる未来の可能性についてお伝えしたいと思います。
フェムテックは“道具”であり“教育”である
「フェムテック」とは、女性特有の健康課題にテクノロジーを活用する製品やサービスを指します。月経管理アプリや更年期のセルフケアデバイス、不妊治療支援など、多様な分野に広がっています。しかし重要なのは、それらがゴールではないということです。これらはあくまで「自分の身体を知るための道具」であり、使いながら学ぶこと自体が“教育”なのです。
「自分を知ること」が意思決定を変える
女性が自分の身体のリズムや変化を理解できると、キャリアやライフプランにおける意思決定がより主体的になります。例えば、排卵周期やホルモン変動を把握することで、妊娠を望むタイミングを計画的に考えられる。また、更年期の症状を見える化することで、医療や職場で必要な支援を自ら提案できる。つまりフェムテックは、人生の選択に「科学的な根拠」と「自己理解」を加えてくれる存在なのです。
企業と社会が向き合うべき視点
フェムテック市場は拡大していますが、単なる“女性向け商材”としての打ち出しでは長続きしません。本質は「女性が自分を知り、選択肢を広げられるようにすること」にあります。企業はその点を理解し、単なるモノ売りではなく、教育やサポートを含めた伴走型のサービスを提供していく必要があります。行政や医療現場も同様に、「女性が自分を知ること」を前提とした支援体制を整えることが重要なのです。
フェムテックは“未来を変えるインフラ”になる
自分を知り、主体的に選ぶ女性が増えれば、社会全体の健康や経済の循環にも大きな影響を及ぼします。少子化対策、働き方改革、ジェンダー平等といった大きな課題にもつながっていくのです。フェムテックは一過性の流行ではなく、未来の社会を形づくる基盤、すなわち“インフラ”になっていくと私は考えています。
