こんにちは、仁蓉まよです。助産師・看護師として女性の健康と向き合い、同時に企業や行政との連携を通じてキャリアや人生設計の支援にも取り組んでまいりました。その中で強く感じるのは「プレコンセプションケア(妊娠前の健康管理)」と「キャリア形成」は決して切り離せないテーマだということです。この記事では、女性が自分の未来を主体的に選び取るために、この2つをどう結びつけるべきかをお伝えしたいと思います。
妊娠は“突然やってくる”ものではない
多くの方が、妊娠を「いつか自然にやってくるもの」と捉えています。しかし実際には、妊娠・出産は心身の健康状態やライフスタイル、社会的環境に大きく左右されます。キャリアに集中する20代後半から30代前半の時期に、自分の体の状態を正しく知り、未来の選択肢を広げる準備をしておくことは、決して「先走り」ではなく、むしろ人生を戦略的にデザインする上で必要不可欠な視点なのです。
キャリア形成に“健康”を組み込むという発想
これまでキャリア形成というと、スキルや人脈、役職といった「社会的な評価軸」に偏りがちでした。しかし本来、持続可能なキャリアを築くには、自分の心身の健康状態を理解し、計画に組み込む必要があります。とくに女性の場合、生理周期や不妊リスク、将来の妊娠可能性といった要素がキャリア設計に直結します。健康を無視したキャリア戦略は、後から大きな選択制限につながってしまうのです。
プレコンセプションケアは“教育”でもある
私は助産師として、多くの女性が「もっと早く知っておきたかった」と語る現場に立ち会ってきました。これは単なる医療的な問題ではなく、教育の問題でもあります。10代・20代のうちから「自分の体を知る」「将来のライフプランと健康を結びつけて考える」ことは、キャリア教育の一環として社会全体で取り入れるべきなのです。プレコンセプションケアは、医療ではなく“未来を選べる力”を育む教育活動でもあります。
女性の意思決定を広げる社会戦略
プレコンセプションケアをキャリア戦略に組み込むことは、個人にとっての安心だけでなく、社会全体にとっても持続可能性を高める大きな鍵になります。晩婚化・未婚化が進むなかで、女性が「働く」か「産む」かの二者択一を迫られる社会ではなく、「どちらも選べる」社会をつくることこそ必要です。そのために、企業・行政・教育現場が一体となって女性の意思決定を支える仕組みをつくることが、これからの社会戦略なのです。
