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「虫が苦手」から読み解く~嫌悪の奥にある「心」と「脳」のメカニズム〜

「虫が苦手」から読み解く~嫌悪の奥にある「心」と「脳」のメカニズム〜
岡山県 kumi(くみ) 「虫が苦手」から読み解く~嫌悪の奥にある「心」と「脳」のメカニズム〜

「虫がどうしても無理」「あの足の動きがゾワゾワする」「誰かが触ってても見ていられない」
こんなふうに、虫に対して強い嫌悪感や恐怖感を抱く人は決して少なくありません。しかし同時に、「こんなことで怖がるなんて恥ずかしい」「みんなは平気そうなのに、自分だけこんなに反応するのは変じゃないか」と自分を責めてしまう人も多いようです。
けれど、その反応にはちゃんと意味があります。そしてそれは、あなたの心が健全に機能していることの証でもあるのです。
このコラムでは、「なぜ虫が苦手なのか」「その背景にはどんな心理的・神経的要因があるのか」「苦手な自分をどう受け止めたらよいのか」について掘り下げてみたいと思います。

見た目で好き嫌いが分かれるのは、ごく自然なこと

kumi(くみ)

私たちはものの「見た目」や「動き」から瞬時に感情的な反応を引き起こします。これは理屈ではなく、生存本能に基づくごく自然な脳の働きです。
赤ちゃんでも、生まれて間もなく「人の顔」に似た形を好むことが知られています。また、柔らかい線や丸みを帯びた形、ゆっくりした動きには安心や親しみを感じやすく、逆に尖った形や素早い動き、不規則な動作には警戒心が働きます。
虫の多くはこの「警戒サイン」をいくつも備えています。足が多くて形が左右非対称だったり、突然飛び上がったり、甲虫のように硬い外骨格を持っていたりすることで、脳は「これは危険なものかもしれない」と判断するのです。
この反応は、太古の時代から人間が身につけてきた「危険回避システム」の一部です。見慣れない生物、毒を持つかもしれないもの、動きが予測できないものに対しては、「近づかない」「避ける」といった行動が自然に起こるように、私たちの脳はできているのです。

脳は「理解できないもの」に不快を感じる

kumi(くみ)

虫が怖い、気持ち悪いと感じる理由の一つは、「脳がその動きや形をうまく処理できないから」でもあります。
人間の脳は、パターン認識によって情報を処理する仕組みを持っています。たとえば、人間の顔や動物の姿、生活空間にある物体など、日常的に見るものは、脳の中でスムーズに理解・分類されます。しかし、虫のように不定形で多足、細かく動き回るような存在は、脳にとって「分類しにくい」「予測しにくい」対象となります。
脳が処理に困ると、それは「不安」や「違和感」として私たちに感情的なサインを送ってきます。たとえば、ゲジゲジやムカデのような姿を見ると、「なぜか落ち着かない」「気持ちがザワつく」と感じるのは、そのためです。
つまり、虫が苦手なのは、脳がうまく理解・予測できないものに対して防衛本能を働かせているということでもあるのです。

幼少期の体験が「嫌い」の土台をつくる

kumi(くみ)

もうひとつ、虫嫌いを語るうえで外せないのが「幼少期の記憶」です。
たとえば、子どもの頃に家の中でゴキブリを見つけて、家族が悲鳴を上げて大騒ぎした――そんな経験があると、そのときの「恐怖」や「混乱」が強烈な印象として脳に刻まれます。
とくに感情を伴う記憶は、脳の中でも「扁桃体(へんとうたい)」という部位によって強く保存されます。そして、その感情記憶が将来似たような状況になったときに再び呼び起こされることで、同じような感情反応が起きるのです。
「昔から虫が怖かった」という人は、実は何らかの「刷り込み」を幼い頃に受けている場合が少なくありません。
これは必ずしもトラウマのような劇的な体験でなくても構いません。親が虫を嫌う様子を頻繁に見ていたり、アニメや絵本で虫が「悪いもの」「怖いもの」として描かれていたりするだけでも、十分に刷り込みの効果はあります

「恐れ」や「不快」の投影対象

kumi(くみ)

心理学的には、虫という存在は私たちの内面の「不安」や「恐れ」を投影する対象として機能することもあります。
つまり、私たちが感じている“嫌悪感”や“怖さ”のすべてが、虫そのものに起因しているとは限らないということです。
たとえば、忙しさで心が疲れているときや、漠然とした不安を抱えているときに、突然出現した虫に対して「ありえないほど過剰に反応してしまう」ことがあります。これは、普段なら抑え込んでいるネガティブな感情が、虫という“はけ口”に乗って表出してきた可能性があるのです。
このような仕組みは、フロイトやユングなど古典的な心理学でも語られてきました。虫のように「意味不明で不気味な存在」は、心の奥底にある不安や葛藤を象徴するものとして扱われることがあるのです。

「苦手な私」を責めなくていい理由

kumi(くみ)

ここまで読んできたように、虫が苦手なことには脳の反応、幼少期の記憶、心理的投影など、さまざまな要因が関係しています。
つまり、「虫が苦手な自分」は、理屈抜きで自然に形づくられたもの。何もおかしなことではありません。むしろ、自分の心がちゃんと機能している証でもあるのです。
それなのに、「こんなことで怖がる自分はダメだ」「虫も命があるのに嫌うなんて冷たい」と自分を責めてしまうのは、あまりにもつらい自己否定です。苦手なものがあるのは、人間としてごく自然なこと。得意・不得意に正しさや優劣はありません。
むしろ、大事なのは「その苦手とどう向き合うか」です。

距離をとることも、対策をとることも自分を守る知恵
たとえば、どうしても虫が無理な人が「虫の少ない場所に住む」「殺虫剤を常備する」「虫が出やすい季節は防虫対策を徹底する」などの工夫をするのは、決して「弱さ」ではなく「自分を守る賢さ」です。
あるいは、信頼できる家族や友人に「虫が出たら助けてほしい」と頼るのも立派な自衛手段です。誰かの手を借りることは、自立の放棄ではありません。むしろ「自分の心を大切にする力」がある証拠です。

最後に――苦手という「感性」を大切に

kumi(くみ)

虫が苦手。見ただけでぞっとして、できれば一生出会いたくない。
そんなあなたの反応には、ちゃんと意味があります。
それは、「おかしなこと」でも「克服すべき弱さ」でもありません。
ただそこに、あなた自身の感性があるということ。

危険を察知する本能も、過去の記憶が生んだ拒絶感も、得体の知れないものへの直感的な嫌悪も――
どれもあなたの心が、あなたを守るために精一杯働いている証です。
だから、どうかその感性を否定しないでください。
「こんなことで」と思わずに、その気持ちにそっと寄り添ってあげてください。
私たちは誰もが、それぞれの感じ方を持っています。
美しいと感じるもの、怖いと感じるもの、避けたいもの、そっとしておきたいもの――
そのすべてが、あなたという人間の輪郭を描いているのです。

虫が苦手な自分も、繊細な心を持つ自分も、すべてひっくるめてあなた。
それを恥じる必要は、どこにもありません。
自分の感じ方をまっすぐに見つめ、
不安や違和感に蓋をせずに、「そう感じていいんだ」と認めてあげること。
それが、自分の感性をやさしく抱きしめるということなのです。

苦手の中にこそ、あなたの感性のすばらしさが隠れていることがあります。

それは、他の誰でもない「あなた」という一人の人間の、かけがえのない一部なのです。

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