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ライフイベント──結婚、出産、転職、離婚、介護。
それらは「個人的な出来事」として捉えられがちですが、実はその一つひとつが、社会の中で自分の立ち位置や価値を再定義するタイミングでもあります。
私は助産師として、また女性支援・社会起業の現場で数多くの女性たちに関わる中で、ライフイベントを“キャリアブランディング”の転機として活かす女性ほど、長期的に自立的でしなやかなキャリアを築いていると感じています。
今回は、ライフイベントを「キャリアの分断」ではなく「ブランド価値の再構築」として捉える視点についてお伝えします。
キャリアブランディングとは「生き方の一貫性」
キャリアブランディングというと、SNSでの発信や肩書きの話と思われがちですが、実は本質は“自分の選択の一貫性”にあります。
たとえば「なぜその仕事を選んだのか」「なぜそのタイミングで子どもを持つと決めたのか」。
その決断の背景にある価値観や想いこそが、ブランドの「軸」になります。
企業のブランド戦略と同様に、個人もまた、人生の選択を通してブランドを形成しているのです。
ライフイベントは「キャリアの物語構築期」
結婚・出産・転職などのライフイベントは、一見キャリアの中断のように見えますが、実は「物語を再編集する時期」でもあります。
この時期にこそ、「自分がどんな価値を社会に提供したいのか」を見つめ直すことができる。
ライフイベントを“節目”ではなく“編集点”として捉えることで、キャリアに深みと説得力が生まれます。
“変化を語れる人”が信頼を得る時代
SNSやメディアを通じて発信する時代、キャリアの一貫性よりも「変化をどう受け止めてきたか」が人の共感を呼びます。
出産や転職など、変化のプロセスを誠実に語れる人は、ブランドとしての信頼を積み上げることができる。
「変化=不安」ではなく、「変化=価値の再定義」と捉える姿勢が、これからの女性キャリアには求められています。
“肩書き”よりも“物語”がブランドになる
キャリアブランディングにおいて重要なのは、「肩書き」や「資格」だけではありません。
むしろ、そこに至るまでの経験や感情、背景のストーリーが、人の心を動かす力を持っています。
助産師・経営者・母親──いくつもの役割を横断する中で、私は「どの肩書きでも語れる物語を持つこと」が最大のブランディングであると実感しています。
“ライフイベントの見せ方”がキャリアを左右する
ライフイベントは、発信の仕方ひとつで印象が大きく変わります。
たとえば「出産でキャリアを離れた」ではなく、「命と向き合う時間を経て、社会での役割を再設計した」と語る。
そこには、自己肯定感と戦略性の両方が必要です。
人生の転機をどう言語化し、どう社会に伝えるかが、ブランドの成熟度を決めます。
経験は「共感資産」として積み重なる
失敗・離婚・転職・介護──そのどれもが、ネガティブではなく“共感を生む資産”です。
同じ経験をしている人の支えになれる力こそ、女性のキャリアが持つ最大の社会的価値。
ブランドとは、「自分の物語が他者の希望に変わる瞬間」にこそ生まれるのです。
キャリアブランディングは「自己対話の積み重ね」
キャリアを発信する以前に、まず必要なのは“自分自身との対話”です。
「私は何を大切にしているのか」「何を手放してきたのか」。
ライフイベントのたびに、その問いを繰り返すことが、自分のブランドの軸を強くします。
外に向かうブランディングではなく、内省の積み重ねが、結果として他者からの信頼につながります。
“分断のない人生”をデザインする
キャリアもライフも、本来は分けて考えるものではありません。
どちらも「自分がどう生きたいか」という意思決定の連続であり、その連続性こそがブランドの核になります。
ライフイベントを恐れず、むしろそれを通じて自分を再定義できる女性こそ、これからの時代に信頼されるリーダーであり、社会を動かす“生き方のブランド”を体現しているのです。
