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私が助産師として多くの親子に関わり、また社会起業家として女性のキャリアやライフデザインに伴走してきて強く感じるのは、「教育は学校だけのものではない」という事実です。とりわけこれからの時代に必要とされるのは、読み書き計算以上の「未来リテラシー」なのです。これは、変化の速い社会を生き抜くための“意思決定力”や“情報を見極める力”を指します。親世代がどのようにこの力を理解し、子どもに伝えていくかが、次の世代の未来を左右するのです。
未来リテラシーとは何か
未来リテラシーとは、ただ将来を予測する力ではありません。予測できない社会を前提に、自らの価値観に基づいて選択肢を描き、判断していく力です。情報の取捨選択、リスク管理、テクノロジーとの付き合い方、さらには自分の人生をどう設計するかといった思考力を含みます。
家庭は最初の“未来教育の場”
子どもが最初に社会を学ぶのは家庭です。お金の使い方、時間の管理、情報との向き合い方など、親の日常の選択がそのまま子どもに伝わります。つまり家庭は「未来リテラシーの基礎教育の場」であり、親がどのように意思決定しているかをオープンにすることが、子どもにとって最良の学びとなるのです。
「正解がない」社会を教える
かつての教育は、答えをいかに正確に導き出すかに重きが置かれていました。しかし、現代社会には「唯一の正解」が存在しない場面が多くあります。キャリアの選択、ライフデザイン、社会課題への取り組みなど、常に複数の選択肢から「自分にとっての正解」を決めなければなりません。子どもに“迷っていい”“自分で決めていい”という感覚を伝えることが、未来リテラシー教育の第一歩なのです。
情報を見極める力の重要性
SNSやAIの普及により、情報は無限に流れてきます。真偽を見極める力や、情報の背景にある意図を読み取る力は、必須のスキルです。親自身が「どんな情報を信じているのか」「なぜそれを選ぶのか」を子どもに説明することが、情報リテラシー教育につながります。
金融教育は未来リテラシーの一部
未来リテラシーに欠かせないのが金融教育です。お金の管理や投資の考え方は、単なる数字の学びではなく、「未来を選択する自由」と直結します。家庭内で小さな買い物やお小遣いの使い方を一緒に考えることから始めるだけでも、子どもの“未来を描く力”を育むことができます。
キャリア観を共有することの価値
親のキャリアや働き方を子どもに隠すのではなく、むしろ積極的に共有することが未来リテラシー教育につながります。キャリアに迷った経験や失敗から学んだことを話すことで、「完璧でなくても生きていける」「選び直してもいい」という柔軟な姿勢を伝えることができます。
未来を描く“余白”を残す教育
未来リテラシーは、知識を詰め込むことではなく、自由に考える余白を残すことです。習い事や進路を詰め込みすぎるのではなく、「自分が何をしたいか」「どんな未来を描きたいか」を立ち止まって考えさせる機会をつくることが大切です。
親世代こそ未来リテラシーを学び直す
子どもに未来リテラシーを伝えるためには、まず親自身が学び直す必要があります。テクノロジーの進化、社会の変化、働き方の多様化など、大人も学び続けなければ取り残されます。親が「学び直す背中」を見せることが、子どもにとって何よりの教育となるのです。
