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私は助産師として臨床の現場に立ち続ける一方で、起業や教育活動にも取り組んでいます。そこから強く実感しているのは、「医療従事者のキャリアは臨床に留まらない」ということです。
臨床経験は、起業・教育・社会活動など、さまざまなフィールドへと広がるための“原点”であり、強力な武器になります。本稿では、医療従事者がキャリアを多様化していく流れと、その可能性について考えてみたいと思います。
臨床経験は“普遍的価値”を生む
医療従事者が持つ知識やスキルは、単なる技術ではなく「人の命や健康を支える」という普遍的な価値に基づいています。だからこそ、臨床で培った経験は医療以外の場でも応用可能なのです。
起業という選択肢の広がり
近年は、医療従事者が起業するケースも増えています。たとえば、オンライン相談サービス、フェムテック関連の事業、健康食品やウェルネスサービスなど。臨床で患者さんと向き合った経験が、社会ニーズを事業化する力につながっているのです。
教育・研修分野へのシフト
臨床経験を教育に還元する道も広がっています。大学や専門学校での教育、企業研修、講演活動など。現場で得たリアルな学びを次世代や社会に伝えることは、医療者だからこそできる価値提供です。
「社会起業家」としての医療従事者
福祉・地域連携・国際協力といった分野では、医療従事者が社会起業家として活躍する事例も増えています。社会課題の本質を理解しているからこそ、持続可能な仕組みづくりに挑戦できるのです。
キャリア多様化の背景にある社会変化
少子高齢化、医療制度の変革、テクノロジーの進展。これらの社会変化が、医療従事者のキャリアを“臨床一本”に限定しなくなっています。むしろ「多様化することが前提」となりつつあるのです。
医療者が起業・教育で直面する課題
もちろん、多様化には課題もあります。
・経営の知識不足
・収益モデル構築の難しさ
・臨床と並行する時間管理の課題
これらを乗り越えるためには、仲間づくりや異業種との連携が不可欠なのです。
キャリアを広げる第一歩は“可視化”
自分が臨床で培った経験や強みを「言語化」し、「価値として可視化する」ことが、多様化の第一歩です。患者さんに寄り添ったエピソードや研究成果は、そのまま社会課題解決のヒントになります。
医療従事者のキャリア多様化は社会資産になる
臨床で得た知見を起業や教育に展開することは、個人のキャリア形成だけでなく、社会全体の資産になります。医療従事者が多様なフィールドで活躍することは、社会の健康リテラシーを高め、新しい経済循環を生み出す力になるのです。
