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私は助産師として医療の現場に立ちながら、福祉やファッション、マーケティングなど多領域で女性の生き方を支える活動を行ってきました。その経験から強く感じるのは、日本における女性支援の課題と、国際協力の現場で取り組まれている女性支援の視点には共通点と違いがあるということです。本稿では「途上国女性支援と日本の女性支援」を比較しながら、私たちが学ぶべき視点と、未来に必要な連携についてお伝えいたします。
途上国女性支援の最前線
国際協力の現場では、教育へのアクセス、母子保健、ジェンダー平等、経済的自立が女性支援の中心課題となっています。とくに基礎教育と母子保健の支援は、次世代の可能性を大きく広げるものであり、「教育×健康」が開発支援の核心に据えられているのです。
日本の女性支援の焦点
一方、日本における女性支援は「働き方の柔軟性」「キャリア形成」「経済自立」に重きが置かれています。保育、介護、ライフイベントとの両立が大きなテーマとなり、社会保障や雇用制度の中で議論されることが多いのが特徴です。
共通する“自立”のキーワード
途上国でも日本でも、根底にあるのは「女性が自立できるかどうか」という視点です。途上国では教育や医療のアクセスが自立を左右し、日本ではキャリア形成や経済的基盤が自立の鍵となります。方法は異なっても、目指す方向は共通しているのです。
教育が未来を変える力
途上国支援における「教育の力」は、日本におけるキャリア教育やリスキリング支援と通じています。女性が知識を得て選択肢を広げることは、どの社会においても“未来を選ぶ力”を育てることにつながります。
健康支援の視点の違い
途上国では母子保健や感染症対策が中心ですが、日本ではプレコンセプションケアや更年期支援といった「人生100年時代の健康戦略」が重要視されています。どちらも「健康なくして自立なし」という共通の基盤を持ちながら、ライフステージの重点に違いがあるのです。
経済的自立のアプローチ
途上国ではマイクロファイナンスや職業訓練による自立支援が進められ、日本では副業・起業・金融教育が注目されています。地域資源を活かした小規模ビジネスか、情報資源を活かしたキャリア戦略か。アプローチは異なりますが、女性自身が主体的に経済活動に参加することが社会を変えていきます。
コミュニティの力をどう活かすか
途上国では女性同士の協同組合や地域ネットワークが支援の鍵を握ります。日本においてもオンラインサロンや地域コミュニティが女性キャリアを支える基盤となりつつあります。コミュニティの力は、女性が孤立せず、相互に学び合い支え合う場を提供する点で共通しています。
学び合い、連携する未来へ
日本は途上国支援から「教育・健康の基盤整備の重要性」を学び、途上国は日本の「キャリア形成や経済戦略の知見」から学ぶことができます。双方向の学び合いが、女性支援をより豊かにしていくのです。グローバルな視点を持ちながら、足元の日本社会の女性支援を進化させることこそ、私たちに求められている課題だと考えます。
