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私は助産師として女性の人生の節目に立ち会い、また企業や行政と連携して女性支援に携わってきました。
その経験から強く感じるのは、「結婚後のキャリア」をどう設計するかが、これからの女性にとって極めて重要な課題であるということです。
かつては「夫が仕事、妻が家庭」という役割分担が前提でしたが、今は夫婦が共にキャリアを築き、共に家庭を担う“共創戦略”が求められています。
本稿では、夫婦キャリアの新しいあり方について考えてみたいと思います。
「夫婦の役割分担」はもう過去
社会が大きく変化する中で、性別に基づく役割分担は現実的ではなくなりました。
女性がキャリアを追求することはもはや特別な選択ではなく、生活基盤を安定させるための必然でもあります。
一方で、男性も家庭や子育てに関わることが自然な時代になりました。
役割を固定化するのではなく、夫婦で柔軟に役割を設計することが新しい“共創”の出発点になるのです。
「家計」と「キャリア」は切り離せない
夫婦のキャリア戦略を考えるときに欠かせないのが、家計と人生設計の統合です。
収入の安定や資産形成は、キャリアと直結しています。
夫婦のどちらかに依存するのではなく、二人のキャリアを「家族経営」の視点で設計することが、持続可能な家庭と未来をつくります。
「育児と介護」を共同戦略にする
女性キャリアを阻む最大の壁のひとつが、育児や介護の負担です。
しかし、これを“女性だけの責任”にする時代は終わりました。
パートナーと共有することで、キャリアを止めずに育児や介護を乗り越えることが可能になります。
“ライフイベントの共同戦略”こそが、夫婦キャリアの大きな鍵なのです。
「選びたい夫婦像」をデザインする
従来の「理想の夫婦像」に縛られる必要はありません。
共働き夫婦、起業家夫婦、地方移住型の夫婦など、多様なライフスタイルが可能です。
重要なのは「社会が決めた夫婦像」ではなく、「自分たちが選びたい夫婦像」を主体的にデザインすることです。
パートナー選びは“人生戦略”そのもの
婚活の場面でも、「自分のキャリア観や価値観を共有できる相手を選ぶこと」がますます大切になっています。
収入や学歴だけではなく、「将来どんな働き方をしたいのか」「子育てや家事をどう考えているのか」というビジョンのすり合わせが、実は最大の戦略要素なのです。
夫婦キャリアは“社会資産”になる
夫婦が共にキャリアを築くことは、単に家族の安定だけでなく、社会全体の持続可能性にも貢献します。
女性がキャリアを継続し、男性も家庭に関わることで、多様な働き方や新しい経済循環が生まれる。
夫婦の共創は、社会的にも大きな投資価値を持つのです。
「共感と対話」が最強の戦略
結局のところ、夫婦キャリアを支える基盤は「共感と対話」です。
相手を理解し、自分の思いを伝え合うことで、戦略的な意思決定が可能になります。
これは企業経営にも似たプロセスであり、夫婦を一つの“共同プロジェクト”として捉えることが、最も現実的で強力な戦略となるのです。
夫婦キャリアの未来は“選べる社会”へ
私が目指すのは、女性がキャリアを諦めることなく、夫婦がともに未来を描ける社会です。
そのためには、個人の努力だけでなく、企業・行政・地域社会が制度や環境を整えることが必要です。
「夫婦で共に選び、共に築く」未来こそが、これからのライフデザインの鍵になると確信しています。
